第二話
2:
体が成長して大きくなっても『大人』になれるとは限らない。
――分かった。ようやく分かった事だ。
今のいまさらになって、ここに来てようやく分かるなんて、自分の馬鹿さ加減に、はほとほと呆れ返る!
本当に俺は馬鹿野郎だ! 大馬鹿野郎だ! どうしようもないくらいに大馬鹿だ!
なんでもっと早くに気づかなかった! 気づけなかった俺は!
悔しい悔しい。本当に悔しい……。
こういう事になるって……何でもっと早く気づかなかった!
親も一人の人間だって、分かっていたはずなのに。自分と同じように、自分の幸せを求める事だってするって……分かっていたはずなのに!
「燕っ!」
俺は妹を、自分の半身を……傷つけた。
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