第2話 新しい生活へ

「母さん、もう時間だから行くね」


「・・本当に行くの、リア」


仕事先から配布された服に袖を通し

軽い荷物を持って、玄関に立っていた。


王宮執事として仕えていた父マルクが

亡くなり、経済面で苦しんでいることを

知ったリアは少しでも生活が楽になるよう

王宮の使用人になろうと決意したのだ。


「私は大丈夫だから、そんな顔しないで。

賃金は私が直接持ってくるから」


「私がもっと働けたら・・」


「母さんは十分過ぎる程働いてくれたよ。

ゆっくり休んで、ね?」


母と会話をした後、玄関のドアを開け

新しい生活が始まる王宮に向かった。

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