遅効性


犬に噛まれた

種類は関係無かった

がぶりと噛まれた

人間を散歩させてる最中だった

もう帰ろーぜ

目がそう訴えかけていた

でも人間はわからなかった

憂さ晴らしに通行人を噛むことにしたようだ

いきなり犬が駆けつけて来た

「ほよよっ」

おれは驚いた

商店街のちょうど揚げたてコロッケ屋に差し掛かったところだった

犬が物凄い速さで前方から飛び掛かって来たのだ

全く痛くなかった

ただじゃれてるだけなのかも

撫で撫でしてやった

だが小さな歯には毒が仕込まれていて数分後におれは死ぬ

まだ生きているが

そろそろ症状が出始める

(何かがおかしい………)

気付いた時にはいつだって遅すぎるのだ


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