第98話結婚しようよ

上等高校は妙に静かである。


センター試験前ということもあり冬休みが終わった後も生徒は少ない。


景川北雄はまだ卒業後の進路を決めていなかった。


就職口は見つけにくいのでバイトでいいと思ってる。


愛しの五宮フレイユは1日12時間勉強するらしい。


食事以外は全て机に向かうようだ。


ああ、なんか彼女の豊満な体を思い出して勃起してしまう。


北雄はAVを新品で買う余裕がないので、全部父の敬次郎に借りてる。


寒いのになぜか悶々としていた。


やりてーな。





タイミングがいいもので大先生から連絡がある。


「坊や、病院から外出出来るからまた会いましょう」


「依子さん、早く会いたいです」


大先生の肌の感触を思い出してまた勃起してくる。


「今日の夕方いつもの喫茶店で待ってるわ」


やっとセックス出来る。


若さっていいな。


大先生は今年31歳かな?まだまだイケてる。






一戦交えた後「依子さんは子供は欲しくないんですか?」


なんとなく聞きたくなった。


「坊やが一緒に作ってくれる?」


「今の旦那さんはその気は無いんですか?」


「あの人とはもう15年近くセックスレスよ。あまり子供も欲しくないみたい」


「依子さんはどうなんですか?」


「私精神病よ」


「別におかしいところはないと思いますが」


「意外に大変なのよ、この病気」


依子さんは俺を抱きすくめる。


乳首が鼻に当たる。


「もう一発やりますか?」


「そうね」


乳首を舌でコロコロ舐める。


依子さんは息が荒くなってくる。






ラブホを出るともう陽が落ちてきてる。


まだ夕方4時。


立川北口に出る。


雑踏はせかせかと早歩きの人達でごった返してる。


依子さんと早い夕食を食べに大戸屋に行く。


大戸屋ランチを食う。


「坊や、何か欲しいものはないの?」


「いえ、ラブホ代と食事代まで奢ってもらって充分です」


「ねえ坊や、旦那が死んだら私と一緒になってくれる?」


「いきなりなんですか?」


「坊やを一生養うだけのお金はあるわよ」


唐突だが、悪くないかも……。フレイユの顔が浮かぶ。


金があればなんでも解決がつく。


19歳の自分でもお金の魔力は実感してる。


「冗談でも嬉しいです」


「冗談じゃないわよ。坊やとの子供欲しいわ」





BOOK OFF 立川北口店で中島みゆきの「ファイト!」がよくかかる。


依子さんと散開した時は5時になっていた。


俺ももう大人だしな。


依子さんと一緒になれれば光栄だけど……。


うーん、悩ましいな。


2023(R4)1/13(金)





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