第68話微笑みに寄り添うように

生徒会長、西園寺霧風。


何かと謎の多い男である。


もちろん3年A組に在籍するが、テストがあっても上位に食い込まない。


大抵学年11位から20位前後を行き来してる。


しかも生徒会長でありながらよく欠席する。


風の噂では親父がでかい会社の社長で西園寺は受け継ぐため高校3年なのに会社の仕事をある程度こなしてる模様。


あくまで都市伝説らしいが。


大学も余裕でいい所に入れるだろうし、将来が約束されてるいい身分の男だ。


あと18歳にして女1000人斬りを達成してるというとんでもない都市伝説も持ってる。


誰もが関わりたくないというか、対応出来ない特殊な生徒と言える。




北雄は放課後の校庭で鉄棒に寄りかかりながら空をボーッと眺めてる。


ボーッとするのは大事なことだ。


親父がよく言う。


忙しなく何かをやり続けるより、間にボーッとする時間を挟んだ方が効率がいい。


そう教えられた。


気付くと五宮フレイユが側で立ってる。


彼女はもどかしそうに何か言おうとしてる。


「五宮、今度数学教えてくれない?」


冗談半分で言ってみる。


そしたら五宮は笑顔になって


「ええ、いいわよ」


冗談で言ったのに意外な反応。


2021(R3)10/8(金)





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