第67話ブラックライト立川

大先生も入院して1か月が経過する。


まだ面会謝絶なようだ。


どのくらい入院してるんだろう……。


立川駅の夜は藍色に染まる。


残金数千円。


桐崎飯店という中華料理店で餃子定食を頼む。600円の割にボリューム満点だ。


なかなか美味しい餃子だ。


周りを見渡すと背広をきた苦虫を潰したような顔をした中年がビールを飲みつつスマホを見てる。


満腹になって外に出る。


北口のBOOK OFF でDVD見てると「パリ、テキサス」のブルーレイを見つける。値段を見ると7800円。高っ!


CDは買いたくなるようなのがないな。


やはり昔の音楽を漁るしかないのか……。


時代はやはり米津玄師のようだ。「感電」が流れてる。


実用書もチェックするが興味を引くタイトルがない。


最近女っ気がないな。


神奈子とも終わったし、大先生もねえ……。


しかし現実ほど冷酷なものもない。


誰もが絶望と希望の間でもがき続けてる。


夜の街も少し眠りにつく時間が伸びた。


歩道橋から過ぎて行く車のデザインを見てる。


おっとフェラーリが通りかかった。カッコいい。


安穏たる毎日。


遊んでる暇があるなら勉強しろということですな。


2021(R3)10/8(金)





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る