第54話Goodbye Lonely Days
2年A組生徒会書記東郷院龍平のステディは2年A組文学部部長の秋葉冬美である。
生徒会と文学部は対立していて2人は人目につかないよう付き合っていた。
来月の頭に2学期の中間テストがある。
2人は国分寺の駅ビルのスタバで勉強していた。
「龍平は惜しい所で学年1位を逃すね」
桐蔭一馬は首席の座を守り続けている。
「桐蔭は高い壁なの?」
龍平は苦笑いして「あいつは俺らが考えるより数段上にいる。太刀打ちできないよ」
「でも龍平と30点差くらいでしょ。学年1位狙えないことないでしょ」
「その30点が大きなハードルなんだよ」
「そうなんだ」
冬美は納得しきれない調子でアイスコーヒーを飲む。
一方文学部副部長の2年C組庭野昭二は部室で本の整理をしてる。
「お前文学部だろ、小説新潮とか文學界とかすばるとか読めよ」
昨日坂には聞こえてない。
「しょうがないなあ」そう言って庭野は本を取り出す。
太宰治全集の「正義と微笑」だ。
「これいいんだよな」
昨日坂はイヤホンを外し「庭野は宮部みゆきの「昨日がなければ明日もない」読んだ?」
「なんだお前活字の本も読んでるのか、いつも漫画ばっかだから読んでないと思ってた」
「いやいや活字の本も読んでるよ」
「宮部みゆきは最近読んでないなあ」
「そうか、よし立川出よう。庭野は?」
「もうちょい本の整理するよ」
昨日坂はそそくさと退室する。
景川北雄はららぽーとに来てる。
ひたすらウィンドウショッピングだ。
もうすぐフライデーナイト。
B‘zの「FRIDAY MIDNIGHT BLUE」はルーズな乗りのハードロック調の曲だ。
「RISKY 」に入ってる。めちゃくちゃにカッコいい。
心踊る金曜の夜といきたいところだが、大先生は入院しちゃうし、神奈子とは平行線。
兎角うまくいかないんだな、人間は。
中間テストも迫ってる。
50位以内は無理でも70位の壁は破りたい。
周りが手を抜いてくれない限り無理だけど。
2021(R3)9/24(金)
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