第55話FIRE OF THE MOMENT
3年A組仁科望美子は欲求不満であった。
セクシュアルな体を利用してパパ活に励みお金には困っていなかったが、自身統合失調症と診断されていて、行動に脈絡がない所がある。
どれだけお金を得ても精神が安定してないので満たされない思いを抱えることになる。
ターゲットは色々と変わるが、自分が向精神薬を常用していることが周りにバレてるみたいで、A組でも彼女は孤立気味だ。
大学進学も危ぶまれてるほど今の望美子の症状は重い。
同じクラスの越波神奈子の彼氏、景川北雄にちょっかいを出していたが、全く脈がない。
自分のルックスとスタイルには自信を持っていた望美子は頭にきて神奈子に北雄と寝たと嘘をつく。
どーせ統合失調症ですよ、人権なんてないんだ……。
望美子はやけになってまたパパ活してセックスの上手そうな男を探そうとスマホを取り出す。
ららぽーとも夜8時でおしまい。
景川北雄は残金50円で何が出来るか考えている。
やはりうまか棒しかないよな。
腹が減ってしょうがない。
飯4合くらい平気で食える。
お家へ帰ろう。
しかしお袋がまた酔い潰れてて食材が全くない可能性があり。
親父に電話する。
しかし出てくれない。
また若い女をナンパしてるんだろう。
床上の所でなんか恵んでもらうかな?
いやあいつ今塾だわ。ダメか。
ららぽーとを出るとモノレールが静かに通り過ぎて行く。
もう漆黒の夜である。
いつだったか玉川上水辺りを散歩した。
ここから少し行った所だ。
上北台まで歩いたこともある。
西武球場の近くだ。
西武といえばプロ野球も最近見てないな。
オリックスがあれだけ復活するとは……。
広島はまた暗黒時代に突入してる。
大谷翔平は化け物だけど、イチローが辞めた後野球に関心が持てなくなってる。
プロ野球の本とか雑誌を読むのは好きだけど……。
帰宅すると親は不在で、予想通り台所には米以外の食材はなかった。
仕方なく米に麺つゆかけて食う。
ひもじいなあ。
スマホが鳴る。
見知らぬ番号。
「坊や、私よ」
なんと大先生“津久茂依子“さんだった。
2021(R3)9/24(金)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます