第34話ハイスクール・ラプソディー

1時限目が数学で、2時限目が科学という最悪の取り合わせ。


朝から頭がパンクしそうだ。


さすがに3時限目の地理の途中から眠気に襲われる。


そりゃそうだ。徹夜でセックスしてたのだ。


最近まともに勉強するようになってる。


神奈子が2学期の中間試験で50位以内に入れば願いを叶えてくれると約束してくれた。


50位以内に入れればB組に上がれる。


しかしC組の連中の勤勉さを見ると絶対不可能なミッションなのだ。


まさに“ミッション・インポッシブル”である。


現実はトム・クルーズみたいにカッコ良くいかないもんな。


この高校の連中はさりげなく勤勉な奴らで占められてる。


この中で俺は相当なアウトサイダーになるんだろう。


徹夜の情事明けに黄色い太陽を拝んでいるのだ。


教室の中を見回すと誰一人としてサボってるやつはいない。


こんな連中の上の成績取るなんて神技だ。


だから勉強すればするほど自分の無能さを痛感することになる。


さて4時限目は英語か。


居眠りに落ちなけりゃいいけど。


学年トップを守り続ける桐蔭や五宮の頭脳はどういう構造をしてるのやら。


藤井聡太や羽生善治を連想してしまう。




昼休みに神奈子と昼食を取る。


「爽やかな風が吹いてるわね」


神奈子の顔を見る度罪悪感轟々である。


既に寝不足で立ってもいられない。


「今日少し時間あるから数学教えてあげるよ」


神奈子は有村架純のような癒しスマイル。いい匂いがする。


こんな罪のない子を裏切ってるんだもんな俺は。


眠気と罪悪感の板挟み。


きついすねえ。


2021(R3)8/26(火)

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