第66話 甘々ベリーショート〜ちょっぴりH編〜


 一日三組限定の旅館。

 それぞれの部屋が離れた作りになっているので、何をしても誰かに聞かれることはない。


「日向さん……聞こえちゃいます……」


「ふふっ、もっと声出していいよ」


 露天風呂付きの部屋。

 一緒に入ったら……まぁ、こうなるよね。


「もう……どうしたんですか? いつもより激しいですよ……?」


「私のものだっていう痕を残したいの。ダメ……?」


 なんて答えるのか、ある程度理解していた筈なのに……

 いつだって、彼女は私の想像を超えてくる。 


「……私の中には、もう刻まれてますよ? あなたが残した……あなただけの痕が……」


 正面に跨がり、おでこ同士をつける。

 私の指を掴んだ彼女は、その刻まれた場所へと指先を案内していく。


「ここも……ここも。それに……この中も……全部、あなたが教えてくれたんです」


「……ふふっ、えっち」


「ひ、日向さんのせいですよ!!?」


 顔を真っ赤にして涙目になる彼女。

 恥ずかしさを紛らわす為に抱きつき、暫くして私の耳元で呟いた。


「責任、とって下さいね……」


「もう……ホント、悪い子なんだから」

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