美術部…………というか、スクールリング部?!

マグロ

プロローグ

セミの鳴き声が、雨戸越しに聞こえる。


ミンミンと苛立たしくもなるその音を背中に、彼女は少し考えてから言った。


「蝉柄も良いかも」


そして再び作業を続ける。


「………っ痛っ」


色白で華奢な彼女の人差し指に血が滲んだ。


(なんでこうなったんだっけ)


あのときのことがつい最近のようにも思えるし、一年前くらいのことにも思える。


ぺたりと絆創膏を貼った人差し指と親指で、リング状のそれを太陽にかざした。


それは光を反射してきらきらと光った。




「できた」



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