第280話 リリィさん愛を語る

放課後の廊下、下校するためにげた箱へと進む俺にリリィさんは、


「けんたろー……

私、卒業生代表挨拶する事になったよ。何、話すればいい?」


珍しく、しおらしく、潤んだ瞳で俺に意見を聞いてくる。


「リリィさんの思った通りに話せばいいんじゃないかな? それが一番いいよ」


「私の……

それじゃあ、全校生の前でけんたろーへの愛を延々と語る事にする。でも、それだと1時間くらい必要よ。どうしたらいい?」


その前にそれやめろ。最後の最後で俺だけが卒業できなくなる。

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