第273話 みんなのたたかい17

「教頭に嫌な事も言われずに済んだって、悔しい思いをしなくても良かったんだって思ったんだ。そして同時に思ったのは……


やっぱり、してしまった事……

16年前の不登校のやり直し……

そんな事……

出来っこない……

やっぱり、過ぎたことは取り返せないんだっていう諦めだったんだ。


俺は、この数日、仕事をしながら、みんなの事を考えていた。


みんなどうしているだろう。


みんなどうしている……

だろう。って……」


ああ、なんだよ、俺……自然に涙があふれてきちまった。

そんなに涙もろかったかな?

そんなにあふれる感情を前に出すような奴だったかな。


俺に注目して、俺の話をキラキラした目で、聞いているご学友の一人一人を見ていたら、自然と涙があふれてきて、どうしようもなくなっちまった。

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