第272話 みんなのたたかい16

教師たちが去った六年一組の教室で、俺は授業が始めるその前に陽葵先生に言って少しだけ………

時間を貰った。


「みんな……

俺の為に戦ってくれて……

ありがとう……


俺は、この六年一組に入れてもらえたことを嬉しく思うよ。

今回は、みんながクラスメートで良かったって、心から思った。


俺は16年前、不登校だった。


その不登校の一年間をやり直すために、亡くなった満島先生に誘われて、みんなと一緒に学校に通えることになったんだ。


満島先生がいなかったら、絶対にみんなと俺の生活が交わることなんて無かったと思う。


最初はどうやってみんなと接していいか分からなかったけど……

大人の俺が、ここでどうやって、どんな顔して教室にいればいいのか想像もつかなかったけど……みんなはずっと前からの友達の様に接してくれた。


今でもそれはすごく感謝しているんだ。


そして、今回。


俺は、正直な事を言えば、もう学校に来ることは無いって思って、この校門から出て行った。

そして、思った。


16年前に学校にちゃんと来ていれば良かったって。

そしたら、やり直しも、あんな教頭にも……アンナとか言っちゃダメだな……」


ご学友が爆笑だ。

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