第205話 東京2

東京なんて俺には縁のない場所だと思っていた。

煌びやかなネオン輝く街で店の前に立ち、人の流れを見ている。

ここは、日本で最も多くの店が並ぶ界隈だ。大型の高級送迎車で客がひっきりなしに到着する。そんな光景がここでは毎日、毎晩、当たり前の様に日常として繰り広げられていた。


「健太郎、4人上野出たぞ。すぐに希望を聞いて待合に通せよ。残り20分で上りが3人。アンケート忘れんなよ」


金曜の夜は、団体も多い。ココの店では3人以上は団体としている。金曜の夜、一杯飲んで、それじゃあ……と、やって来るサラリーマンでほぼ大入りが出る。


俺のいる店は中の上のクラスで、全部で20程の部屋があり、まあ、そこそこの店だ。


「かしこまりました」


だから、金曜の夜は大騒ぎだ。

とても休んでいられる様な状態ではない。だが、それもその忙しさも、慣れてきて、うまく裁けると、達成感が得られて、それはそれで楽しくなって来るから不思議だ。

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