第135話 うっせえな2

リリィさんは人気がある。明るくて、お姉さんみたくて、お人形さんみたいだから。当然、男子もほっとかない。遠巻きにリリィさんを見守るご学友や積極的に話しかけるご学友など様々だが、言える事はモテモテだ。


でも、気がかりなのは、結構、俺にベッタリなところだ。今もそうだが、恐らくこれから行く江の島あたりでも、同じになるだろう。俺からすれば嬉しいのだが、出来れば、同じお年頃のお友達ともう少し、仲良くした方が良いのではないだろうかと、少々、おせっかいとも知りながら、直接、本人に言ったことがあるのだが、


「だって、子供っぽくて話が合わないんだもん」


と、遠くを見ていっていた。


そりゃ、お前が一本突き抜けてんだよ。と、腹の中で呟いたが、なかなか彼女のお眼鏡にかなう男子は現れないらしい。


「ねえ? 今日の私見て何か思わない?」


あー、こんな子供のくせに、めんどくさい感じ……どう答えりゃいいんだよ。間違うと不機嫌にでもなるのか?


ちなみに、何とも思わない。


「なんだろう?」


「質問に質問で返すなや」


何処の言葉だよ。


「え~っと、……ほら! それ! ほんと、凄いね!!」


「何にでも当てはまる様なの……私に通用しないよ。もう、いい!!」


ほら、不機嫌になった。窓の方を見てこっちを見なくなるリリィさんの後頭部を見て、俺はため息をつく。


だれか変わってくれ、この席。


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