第25話 運動会3

 午後からの競技が始まる少し前に、


「あんまり下品な応援はご遠慮願います。他のPTAからの苦情も来ておりますので」


教頭先生が俺達のところに、雅さんたちはトイレに行っていない、俺とオーナーだけが座っているところにやってきて、そんな事を言っている。


「……大変、申し訳ございませんでした。以降、気をつけますので、どうかお許し願います」

オーナーが椅子から立ち上がり頭を下げた。


「ふっ、どうだか……ま、お願いますよ」


教頭先生は、ため息のような……わかっている。言いたくはないが、鼻でバカにして、消えていった。


「……健太郎、世の中いろんな人がいる。俺達のような者がいるだけで気に入らねぇって思うやつもいる。それが、現実だ。でもな、必要以上にへりくだることはねえ。 それだけだ。 分かったか? わかったら午後も一生懸命やってこい。お前を必要としているご学友があっちで手を振ってるぞ」


オーナーの指す方向にはクラスのご学友が確かに、もう時間だと俺を呼んでいた。

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