第8話
「
机の向きを変えて給食グループで食べているのだが、隣の未海さんが見事なまでにニンジンを取り分けて食す気配がないことから、余計な事と知りつつ、一推しロリに声を掛けた。
「そうなの、味がなんかダメ」
俺の目を伏し目がちに見て、困ったように会話をしてくる。
可愛い~。言っておくが……じゃないぞ。
そうね、好きにも理由が無いように嫌いにも理由はないからね。昨今の給食は、嫌いなもの残し自由だ。
フリー残しものだ。
俺の一周目では、食べ終わるまで昼休み無しとか、下手すると全員昼休み無しとか何故かの連帯責任が生じていたが、今の給食は食べられないものは、どうぞどうぞ、お残しくださいなんだ。驚きの事実。まあ、それで、何かあって親にねじ込まれでもしたら、学校もめんどいもんね。正解だよ、ある意味。
「佐藤さん、お昼休み、ドッジボールやろうぜ!」
俺の前の席の大垣君が推しロリとの至福の時間に割って入ってきた。
「は、はい」
ドッジボール……16年ぶりの響きだ。やれるのか?俺?力なく同意した。
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