推しを間違えるな!
推しの論争というのは、不毛なものだ。
ある日帰ると彼女が北斗の拳を読み漁っていた。分からんでもない。たまに読みたくなるよね。
「あ、お帰りー。ねぇねぇ下妻氏―。下妻氏は北斗の拳で誰が好きぃ?」
おっといきなりの選択肢。これは地雷を踏み抜く可能性大。なにせ彼女ちゃん。ストリートファイターで「ガイルが好き」って言っただけで敵認定してくる強力解釈の持ち主。ここは無難なアンサーを出すのが吉と見た。
「シュウかなー!? やっぱり仁星ってのが男っぽいよねー!?」
シュウ。多分そんなに人気がないシュウ。格闘ゲームで一人だけプレイアブルにならなかったシュウ(ユリア除く)だ。故に、まさかこいつを嫌いになるなんて事はないだろう。そうたかをくくって返答したのだが、しかし。
「はーあ? 聖帝の敵じゃん! 汚物は消毒なんですけどー!?」
残念! え? まさかのサウザー推しだったの? ならシュウはドブネズミの親玉的扱いじゃん。これはミスった。というかお前なんでサウザーやねん。無難にレイかシン推しとけや。
「謝って! 温もりを求めて孤独に十字陵建築してたサウザーに謝って!」
「えぇ? うん、ごめん……」
一応謝っておくけど、なんか釈然としないなぁ。
「いいよ! ま、私の推しはジュウザだからいいんだけどね!」
ジュウザかい!
思ったよりも想定内の推しだった。というか待って。なら俺が謝った意味は……
本日のQ&A
Q.彼女と推しの趣味が合わないんですが。
A.お互い尊重できればいいけど無理そうなら触れるな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます