土産を忘れるな!
同棲していながら彼女ちゃんの存在を忘れる事がままある。
「あーいいなーケーキいいなー一人で食べるケーキーさぞおいしいでしょーなー食べたいなーケーキーケーキ食べたいなー」
「……」
一生の不覚。俺とした事が限定販売という殺し文句に気を取られ一人分のみ購入してしまった。なんという失態か。穴があったら入りたい。
「最近ー太ってきたと思ったらー一人だけケーキーなるほどなーそりゃー太るわー」
クッソ! 話を蒸し返してきやがる! しかし非がこっちにあるものだから腹が立っても言い返せん! おのれ!
「ケーキーケーキー食べたかったなー私もーまさか一人分とはなーびっくりーいとびっくりしおどろき座右衛門ー」
また妙な言葉を使いおって。なんだいとびっくりしおどろき座右衛門って。日本人って事しかわからんぞ。あぁ、まったくどうしたものか。このままでは潰瘍まっしぐら。別にくれてやってもいいが素直には受け取らんだろう。策を練らねば……よし!
「あ、これブルーベリー入ってるわ。駄目だわ食べれんわ。あーしくじった。ブルーベリーはいってたらもう無理だわ。終わりだわ。誰か食べてくれんかなー!? (チラチラ)」
完全に自然な台詞。これでねだりやすくなっただろう。さぁ遠慮せず恥ずかしがらず、さっさと「あ、本当? ならもらっちゃおー!」と笑顔を弾ませ摘むが良い。
「下妻氏」
「はい!」
きた! これで勝てる!
「二人分買ってこなかった事を素直に詫びれば許してやるが、どうする?」
「……すみませんでした」
許された。
ケーキは半分に分けてたべた。
本日のQ&A
Q.彼女にお土産を買ってくるの忘れてしまいました。どうしましょう。
A.素直に謝って代わりの物用意しろ。
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