人間になった日
あの人間はいいやつだ。
ながくあうのはだめだけど、魚だけならいくらでももらってやる。
でも今日はみつからない。いないのかな。
あの人間の葉っぱみたいな匂いはするのに。
魚たべたい。
人間の音がする!
いつもよりゆっくり。
いきがあらい。はあはあしてる。
おかしい。
人間、たおれてる。
わたしのことわかってない。
どうしよう?
「み、みず……。」
みず。
みず!
ちかくにかわある。みずもってこないと。
あぁ。でもどうやって。
みずもてない。
人間、いつもどうやってみずもってる?
へんなまるいやつにみずはいってた。
でもあれももてない。どうしよう。
どうしようどうしよう!
魚もらえなくなっちゃう!!
「んにゃ〜〜〜!!!」
あれ?
からだがへんだ。
すーすーする。毛が無くなってる。
あれ、でも頭だけ毛が残ってる。伸びた?
あ!人間のかたちになってる。
これならみずもてる。人間、たしかふくろのなかに、まるいのいれてた。
あったあった!
これでみずもってこよう。
「人間!人間!!!」
みずもってきたのにうごかない。
人間、うごけない?のませないとだめ?
「人間!みず!のむ!」
人間、ごほごほいってる。
のめた?のめてない?
「ま、まって……!おぼ!……れる!」
はあはあいってる。
「あっ、ごめんごめんごめん。怒ってるわけじゃないからね……。助けてくれてありがとう。」
うおー!人間、うごいた!げんきだ!
「きみは、村の子かい?見かけない顔だけど……。」
あっ!あぶない!!
人間とながくいちゃだめなんだった!!
もうはなれよう!!
「ま、まって!どこいくの?!あぶないよ!」
「うるさい!!魚おいてけ!!人間!!」
はしらなきゃ。はしらなきゃ。
「…………。えっ?!!!」
もうだいじょうぶかな。
人間はあぶないあぶない。
……あれ?
どうして人間はあぶないんだっけ?
それに、わたし、人間のかたちになってる。
どうして?
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