倒錯ゲーム開発日誌 〜会社に内緒で〝男の娘〟をしてるのがバレて人生終わったと思ったら美少女の彼女ができて一緒に創った〝乙女ゲーム〟が大ヒットしてしまった。〜
第35話:黒髪ロングの黒縁メガネ美少女が弊社に内定した件。
第35話:黒髪ロングの黒縁メガネ美少女が弊社に内定した件。
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【前回のあらすじ】
姉さん! 事件です!
コスプレ仲間のいばらぎちゃんこと、
よかった。よーーかったーー。
それにしても
あと、
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ぼくは、とりあえず、
「ケフちゃん、今日はわたしの家にお泊まりしマスオさん」
「え? そうなんですか?」
「ソーナンス。スージークーパーのお礼をしたいザーマス」
「え? そんなの悪いですよ」
なんだか、せっかくのお祝いにすぐさまお祝い返しをもらうのは悪い。ちょっと、いやかなり気がひける。そもそも、金欠のぼくは、
「大丈夫。問題ない。わたしがプレゼントするのはケフちゃんにだけ。
そうなんだ……なんだかちょっと恥ずかしい。
「
え? どういうこと? お菓子か何かなのかな?
「
え? どういうこと? ヤンソンさんの誘惑?? なんじゃそら?
「大丈夫、マイフレンド」
謎だ。
ぼくは、トイレで服を着替えながら考えた。
今日の晩御飯は会社で食べよう。
ぼくは
「いばらぎ……じゃない、
ぼくが声をかけると、
「うん。ミズキちゃん、じゃない
って、めっちゃ言いづらそうにいった。
ぼくたちは、おたがい気まずかった。無理も無い。〝普通の格好〟で会うのなんて、今日が初めてなんだから。
「……あの、なんだか照れくさいから、今まで通り、〝ミズキ〟でいいよ」
「だったら、アタシも〝いばらぎ〟って呼んで。もしくは〝いばら〟ちゃんって呼んでほしいな」
「じゃあ、これからよろしくね。いばらちゃん」
「こちらこそお願いします。ミズキさん」
「あ……さん……づけはちょっと恥ずかしいかも」
「じゃあ、
「うん、うよろしく、いばらちゃん」
ようやく呼び名が決まったぼくたちは、どちらからともなく手を出して、ガッチリと握手をした。
「じゃあ、明日は10時だから、朝早いと思うけど頑張って!」
「いやいや、10時は全然早く無いでしょ。むしろ、学校にいく時より遅いくらいだよ」
いばらちゃんは、苦笑いしながら言った。ぼくは、弊社の自由な社風がいかに特殊なのかを痛感しながら、いばらちゃんを見送った。
なんだか、背中に冷ややかな視線を感じながら見送った。
会社の玄関が閉まって、ぼくが振りかえると、さっきからずっと冷ややかな視線を放っていた人物と目があった。その人物は目が合うなりうつむいて、その色素の薄い茶色い瞳を、墨汁のようにダバダバとかけたような前髪でかくした。
そう言えば
(というか、名前を呼んでもらえるようになったのも、よくよく考えたら先週からだ)
ぼくは、なんだか気まずくなった。
よくよく考えたらおかしな話だ。今日本名を知った、お友達に軽々しく名前呼びをリクエストしてるのに、付き合ってる、同棲までしちゃっている彼女である
ぼくは、
ぼくは、お昼に、
『お前たちは付き合ってるんだぞ。つまり……ケフちゃんだって、おまえとセック……い、いや、もっと親密になりたいんじゃないのか?』
セック……は置いといて、名前くらい下で読んでもらいたい。せめてそれくらいは、親密になりたいと思った。
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