倒錯ゲーム開発日誌 〜会社に内緒で〝男の娘〟をしてるのがバレて人生終わったと思ったら美少女の彼女ができて一緒に創った〝乙女ゲーム〟が大ヒットしてしまった。〜
第31話:甲林さんにランチをおごってもらう件。
第31話:甲林さんにランチをおごってもらう件。
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【前回のあらすじ】
姉さん! 事件です!
弊社CGデザイナーの公募に、ぼくの知り合いが応募してきました。名前は、
ぼくのコス友で、「いばらぎちゃん」って名前で活躍しています。サンクリでは、コス合わせをして、ふたりで一緒に黒山のひとだかりをつくりました。
ぼくも、いばらぎちゃんと一緒に仕事ができるのは嬉しいです。でも、ひとつだけ問題があります。ぼく、まだいばらぎちゃんに、男だってこと告白してないんです。もし男だってばれたら、嫌われないかな……気持ち悪がられないかな……。
姉さん! ぼく、わりとガチで心配です!!
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「そう言うわけで、
「了解しまんとがわ!」
「あ、あの、
「変なことを聞くねぇ。いつもどおりでいいだろう。面接受ける側ならともかく、きみは、面接官なのだよ?」
「いや……実は……ぼく、いばらぎ……いや、
「なんだってー!!」
「なんだってー!!」
「ドッキリグランプリなモニタリング!」
「ふむふむ、これは面白いねぇ。いばらぎちゃんどんな反応するだろうねぇ」
と、
「あの……もう少し真剣に考えてくださいよ。いばらぎ……じゃない
「うーん、考えすぎのような気もするが、でもまあぁせっかくだ。
え? どういうこと??
「君たちは、基本、即売会でしか合わないんだろう? で、あればだ、一番自然な服装はコスプレなのではないかい?」
「そんな、適当な……」
「そう、適当、適して当たっている。なにか異論はあるかね?」
そういえば、ぼくが、いばらぎちゃんと初めて出会ったのは、姉さんのセーラー服を着ているときだし、サンクリのコス合わせも、会場に二時間前から入って、コスプレしていばらきちゃんと待ち合わせしたんだもの。(ぼくが女子更衣室入ったら、警察に捕まるもの)
確かに……合ってる……一見するとめちゃくちゃだけど、適して合ってる。
うん。ひょっとしたら、それが一番いいのかも?
「はっはっは! そういうことだ。よろしく頼むよ!
ついでに書類も片付けておいてくれたまえ!!
わたしは、これからお弁当を食べるとするよ!」
そう言うと、
「わたしもこれから、
そう言うと、
秘密のランチデートってなんだろう……気になる。
けど、まあいいや、今のぼくは外食ランチをする余裕なんてない。
ぼくは、先週金曜日に多めに炊いて冷凍しておいたご飯をチンして食べよう。
辛いけど我慢だ。先週とこの週末は、とにもかくにもお金を使いすぎた。
ぼくは、いそいそとゲーム機だらけのブラウン管テレビの前に並べた応募書類をかたずけながら、ご飯のお供を、惣菜屋さんのコロッケとポテトサラダにするか、男らしくジャンボチキンカツ1個にするかを考えていると、
「よう、
「ごめん、今月は金欠なんだ」
ぼくは丁重に、でもフランクに、
ぼくと
「なんだ? 金欠か? だったら、おごってやるからさ。ま、いつのも定食屋だけど」
おごり……。
なんて魅惑的なお誘いなんだろう。
「じゃあ、せっかくだからお言葉に甘えて……」
「せっかくついでに、俺は食後のコーヒーもおごるぜ! ま、プラス50円されるだけだけどな!」
「さすが、先輩! 太っ腹!!」
ぼくと、
でも、この会社では、
うちの会社のゲームのアドベンチャーシーンは、全部
そう、
出社時間は
いつ仕事をしているのか全く謎だけど、とにかくすごい人なんだ。
だから(多分)お給料もぼくよりすごい人なんだ。
持つべきものは、昔からの友人だ。そして裕福な先輩だ。
ぼくは、ニコニコしながら、
そしてぼくは、この30分後(要するに食後)に激しく後悔をすることになる。
ぼくは、うっかりしていた。本当にうっかりしていた。
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