倒錯ゲーム開発日誌 〜会社に内緒で〝男の娘〟をしてるのがバレて人生終わったと思ったら美少女の彼女ができて一緒に創った〝乙女ゲーム〟が大ヒットしてしまった。〜
第13話:〝乙姫 湊〟が三次元と二次元に降臨した件。
第13話:〝乙姫 湊〟が三次元と二次元に降臨した件。
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【前回のあらすじ】
姉さん! 事件です!
いや、特には事件は起きていませんでした。すみません。
しいて言えば、
ただ、割と日常茶飯事なので、そこまで気にならないです。
ぼくは、そんな
トリプルタスクですが、割と日常茶飯事なので、そこまで気にならないです。
そんなことよりも、〝乙女ゲー〟のメインキャラクターが一切決まっていないことの方が問題です。このままでは、全員隠しキャラクターのゲームが出来かねません。
姉さん! ぼく、どうしよう。
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「おはようございマスオさん」
午後3時5分、
「できました。お納めください」
と言うと、フラフラと仮眠スペースに直行した。多分徹夜したんだろう。
ぼくは、
「これって? 制服??」
昨日、
取り出してみると、男子制服はちょっと小さめのサイズで、女子制服はちょっと大きめのサイズだった。
ぼくにピッタリのサイズだった。
え? どういうこと?
スゴイ!
そして、テイラーとしての腕は、確かだった。
そして、
ここだけの話、一度でもいいから、
ぼくは興奮した。ぼくはいろめきだって女子制服と緑のウィッグを抱き締めると、トイレに行って着替えてみた。
・
・
・
これが、ぼく? いや〝
男子トイレの前に立っているぼくは、可愛かった。可愛いなんてもんじゃなかった。
ほんの少しだけ、大きめに作ってあるブレザーが、ぼくの肩幅を可愛く女の子のシルエットに見せている。萌え袖も可愛い。そしてとくにキッチリ膝上の5センチのスカートが最高だった。ぼくが一番自信がある、ふくらはぎが一番可愛く露出する。
完璧な美少女が男子トイレの鏡の前にいた。
ガチャリ
ぼくがにっこり笑うと、
「なんだよ、やっぱここ男子トイレじゃねぇか!」
ぼくは、植物公園で
「
ほくは、フリーズした
「はじめまして!」
会社の社員全員が、ぼくに集中した。
「はじめまして〝
趣味は音楽鑑賞で、クラシックとか良く聴きます。
これから、よろしくお願いします」
男性社員が、軒並みほほを赤らめて、カチンコチンに固まっていた。
でもって
「なんだこの世界一可愛い男の
ぼくは、調子に乗って
ぼくが調子に乗って、可愛いポーズを連発していると、いきなり
「動かないで!」
つづいて、真横に立って、鉛筆をシャカシャカと走らせた。
最後に、真後ろに立って、鉛筆をシャカシャカと走らせた。
あっという間に、スケッチブックに〝
可愛かった。
なんなんだ、この美少女は? なんなんだ、このあざと可愛い美少女は?
ぼくが、スケッチブックのあざと可愛い美少女に見惚れていると、
「喜んで!」
ぼくは言われるままにあざとく可愛く喜んだ。
「怒って!」
ぼくは言われるままにあざとく可愛く怒った。
「悲しんで!」
ぼくは言われるままにあざとく可愛く悲しんだ。
「デフォルトの表情で!」
ぼくは言われるままにデフォルト、つまりは基本の表情であざとく可愛く自然に口角を上げた。
「本心で笑って!」
本心? なんだわからないけど、ぼくは〝
「違う!
え? どういうこと?
ぼく? ぼくの本心? ちょっとなにいってるか、わからない。
うーん、なんだろう? ぼくはとりあえず、苦笑いをした。
「そう!」
え? そういうこと?
「次は!
え? どういうこと?
いやいやいや。だれに怒ればいいの?
うーん、なんだろう? ぼくはとりあえず、困って怒ってみた。
「違う! わたしに怒って!」
え? どういうこと?
いやいやいや、
不可能だよ。ぼくは、苦笑いをした。
「違う! 全然違う! だったら、わたしのために怒って! 昨日、
発子さんに? あ? そういうこと?
ぼくは、昨日、
「
「それ!」
「次は、わたしのために悲しんで!」
ぼくは、
「それ!」
「最後に、いつものようにわたしを見て!」
ぼくは、務めて普通に、いつものように、
「それ! すっごくいい!」
そして、
「できました!」
と、スケッチブックを広げた。
そこには、ちょっと信じられないくらいあざとく可愛い女の
すごかった。ぼくは、魂を持って行かれた。
〝
多分だけど、この男の子は、〝
でも、恋をした瞬間に、一目惚れした瞬間に、この恋が叶わぬ恋と悟ったんだ。だからこの男の子は、主人公の恋を応援する役目にまわったんだ。裏方に回って、主人公の女の子が好きな男の子と、いい感じに、いい雰囲気になれるように、あざとく裏工作をしたんだ。
あざとく主人公が男の子と鉢合わせるタイミングを作ったり、あざとくイジワルをして、主人公の魅力を男の子にアピールしたり、あざとくダブルデートを演出したり、あざとく主人公の恋の橋渡し役になったんだ。あざとく恋のキューピットを演じたんだ。
でも、本心では、心の奥底では、主人公の事が好きで好きでたまらない。それを隠し切れないでいる。あざとい男の
ままならない。
歌舞伎の
素晴らしかった。
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