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河出書房新社「日本文学全集 07」

 河出書房新社の「日本文学全集 07」を読み終えた。

 枕草子、方丈記、徒然草。いわゆる三大随筆の新訳が収められている。

 手にした理由は、方丈記を高橋源一郎さんが訳していたから。

 方丈記はすぐに読み終え、徒然草もそれなりに早く片付けた。

 手こずったのが、枕草子の前半。

 すこしづつ読み進めた結果、本を読み終えるのに1年半かかった。


 さて、枕草子。好きな段を原文で。数字は段。訳はない。本を買って。



 167 遠くてちかきもの 極楽。



 315

 男は女親なくなりて、親ひとりある、いみじく思へども、わづらはしき北の方の出で來て後は、内にも入れられず、裝束などの事は、乳母、また故上の人どもなどしてせさす。西東の對のほどに、客人にもいとをかしう、屏風障子の繪も見所ありてすまひたり。殿上のまじらひのほど、口惜しからず、人々も思ひたり。うへにも御氣色よくて、常に召しつつ 御あそびなどのかたきには、思しめしたるに、なほ常に物なげかしう、世のなか心にあはぬ心地して、すきずきしき心ぞ、かたはなるまであるべき。上達部のまたなきに、もてかしづかれたる妹一人あるばかりにぞ、思ふ事をもうちかたらひ、慰め所なりける。

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