たまにつぶやき
楽写遊人
第1話「禁酒」
ここの所、3週間程まともに酒を飲んでいない。
夜、眠くなるのが嫌になって、「禁酒する」とある日曜日の晩に嫁に宣言したのがきっかけだ。
今まで何十年と毎晩泥酔して寝るのが習慣だった自分にとっては新たなチャレンジを始めてしまった。
我が家の嫁は、のんびりでボケボケ精神の持ち主なのだが、「禁酒」と言い始めたら僕の頭がおかしくなったのかと思ったようで、ネットで「禁酒 禁断症状」などを検索していた。
嫁の検索によると、「禁断症状」にも色々あるようで、軽いのはイライラしたりするくらいらしいが酷いのでは幻聴や幻覚の症状が出ることもあるらしい。
嫁から見ると、僕はほぼアル中状態だったようで「禁断症状」でも出て、仕事に行きたくないとか言い始めないかが心配だったようだ。
僕としては「禁酒」したら嫁が喜ぶと思っていたのだが、意外に心配を掛けた方が大きいようだ。
「禁酒」を始めて3日程で嫁から提案があった。
どうやら僕が「禁酒」することが余程心配なようで「酒を飲んでくれ」と言う逆提案だ。
僕としては、あれっ?と言う提案だが、嫁の心配が真剣なので、ここは快く引き受けた。
そこで、嫁の提案もあり、土、日の仕事が休みの日だけは酒を飲むことにした。
そして、家に常時酒を置いておくことは辞めて、その日飲む分だけを買ってくることとし、量もかなり減らす事にした。
「禁酒」を始めた頃は、言い出したのは良いが続くかな?と自分でも思っていたが、「禁酒」を強制ではなく、飲みたい時は飲んで良いんだと軽い気持ちで続けると案外続くものだなと言うのが今のところである。
たまの平日にどうしても飲みたい時はビールを1本だけ飲む。
「禁酒」してないじゃん。と思われるかもしれないが、週に1回位だしこの位の緩さが個人的には丁度良い。土、日も今までなら朝からウイスキー1本位飲んでいただろうが、今ではポケットサイズの小瓶1本程の量まで減らしている。
元々、僕はBARで働いていたり自分で店を経営したりしていたので酔人達とは昔から縁が深い。
一人で居酒屋やBARにも行くし、酔人達との酒の上での話も好きである。
この機会を無くすと何だか人生が少しつまらなくなりそうなので、飲みに行ったときは好きなだけ飲むという約束も嫁とはしている。
まあ、最近はほどんど飲みに行くことも無く家に籠っているし、御時世的な事もあり店が開いていないと言う事もあるので、好きなだけ飲んで語る事はまず無いだろうが。
僕の体質状の問題で、僕は人よりも水分を多くとる体質だ。
昼間の仕事中も水やコーヒーは欠かさず、何かしらは飲みながら大体仕事をしていると思う。
夜、家にいる時もずっと何かを飲んでいる。
酒を飲んでいた時は、そう言う事もあり泥酔するまでひたすら酒を飲んでいた。
何かを飲んでいないと何か落ち着かないのだ。
「禁酒」をしてからと言う物、我が家ではコーヒーと炭酸の出番が多くなった。
コーヒーはアイスコーヒーの時もあるが、炭酸は普通の炭酸水を飲んでいる。
「禁酒」をしても、相変わらず夜は何かを飲みながらパソコンの前に居る生活は変わらない。
「禁酒」をしても変わらない事はそれ位だが、変わったことはいくつかあった。
まず、夜ちゃんと起きていられるようになった。
これは個人的には凄く大きいことで、元々はこれが最大の目標でもある。
泥酔の頃は20時や21時、早い時には19時半頃には酔いつぶれて布団に入る日が結構多かった。
僕は、仕事から帰ってきてやりたいことが沢山ある。
これを書いているように、書き物もしたいし、カメラも好きだし等、家に帰って来てからが自分のメインの時間だと思って生活している。
昔はそれでも泥酔しながら自分の事も出来ていたのだが、最近歳のせいかすぐ眠くなって寝てしまっていた。
それが「禁酒」を始めただけで今では普通に24時に寝る生活が過ごせている。
翌朝も5時か5時半にはキチンと起きれる。
ただ酒を飲まないだけで、1日の時間が3、4時間増えた。
これは自分の中では画期的な事である。
次に、食費が物凄い浮く。
我が家の家計に日々の酒代がどれだけ影響していたのかが「禁酒」をして3週間程で早くも判明した。
僕はマネーフォワードを使って家計を見ているのだが、このまま行けば「食費」が今月は約4万円程浮く計算になる。
この数字を見て、下手な節約よりも断然良いと思った。
因みに、今回は中止としたがG.Wに東北の実家へ帰ろうと思いPeachで航空券を予約したら、夫婦2人往復で4万7000円だった。
この調子で「禁酒」生活が続けば、年に数回は実家にも帰れるし旅行へも行けるだろう。
4万円と言えばそれ位の金額だ。
金を貯めたい人は、まずは日々の酒代を見直したらどうだろうと思う。
最後に、運が向いてきた。
これは人にもよるだろうが、僕は「禁酒」をしたことで運が向いてきたと思う。
まず、写真があるサイトの優秀作品に選ばれた。
そして、昼間働いている会社の今年の人事で役職が昇進した。
2つとも思ってもいなかったことで、2つも一辺に来て少し自分でもビックリした。
その他にも、酔っぱらって頭が鈍る事が無いので頭の回転が良く回り、色々楽しそうなことが思いついたり考えることができるようになった。
このエッセイを書く事も思いついたことだし、この先の自分の過ごしたい生活環境を頭で思い描き楽しめるようになってきた。
いずれ、もっと僕が嬉しく思えるような事が起きそうなワクワクする感覚も沸いてきている。
前向きになる事で運は開けてくると思うし、これは自分では良い傾向だと思っている。
今回は僕的な「禁酒」の話を書いてみた。
酒を飲む感覚は人によって違うと思うし、確かに機嫌が悪い時やテンションが上がっているとき等は酒を飲みたくなるのは今でもよくわかる。
僕もいつまで「禁酒」が続くかは分からない。
でも、何事でも自分で自分をコントロールする事が重要だと思う。
僕も自分で決めたから「緩い禁酒」を行っているわけで、人に言われていたら絶対にしていなかったと思う。
単純に自分でメリットがあると思ったから始めただけだ。
現に、僕はタバコを吸うのだが、タバコを辞める事を辞めている。
医者に言われようがなんだろうが「禁煙」は絶対にしないと自分で決めている。
そうやって自分で良いと思った事を行うと、小さな事だろうが大きな事だろうが日常に変化を付けてくれて個人的には楽しい。
「禁酒」は今のところ僕の日常に大きな変化を付けてくれている。
まあ、嫁は「禁酒」よりも「禁煙」をして欲しそうな顔をたまにするが、そうも行かないのが我が家の面白い所でもある。
そして、ここまで酒を飲まなくなると、今年の暮れにある健康診断の結果が密かに楽しみな僕であった。
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