第3話 イタズラ開始

次の日の朝俺は千秋さんに問いかけた。


「頭そこまで良くないとか言ってた割に学年1位とってたけどどういうこと?」


「たまたまです」


「たまたまで1位取れるのか...」


たまたまって

まぁ俺が言えることでもないけど

(とりあえず次の授業の準備するか)

俺はカバンの中から教科書、ノートなどを取り出そうとした。

(ん?あれ?)

カバンの中をどれだけ漁っても教科書が無い

机の中を見てもない

(これは忘れたなぁ。うーん、千秋さんに見してもらうしかないか)


「千秋さん。」


「はい?」


「次の授業の時教科書見してくれない?」


「忘れたのですか?」


「うん」


「分かりました」


この時彼女が悪魔的な笑みを浮かべたような気がしたが気のせいだろう。







(あぁぁぁぁぁぁぁぁイラつく!)

俺は今イラついている

イラついている原因は俺の隣の千秋さん。

教科書を見してもらうために机をひっつけた。

ここまではいい。

だが俺がノートをとっている最中に机をずらしたり、意図的に手をペンに当てたりと小学生がするようなイタズラをしてきたのだ。

だがこれが意外とうざい。

あの悪魔的な笑みは気のせいではなかったらしい

とそんなこと思っていると。


「コトッ」


消しゴムを落としてしまった。

しかも千秋さんの方に。

俺は嫌な予感しかしなかった。

(あえて拾わなかったりするとかそういうことするんだろうなぁ)

と思っていたのだが


「シューーー」


千秋さんは消しゴムを蹴り飛ばした。

(こいつやべぇぇぇぇ)

と内心で叫んでいた。

俺は千秋さんを見た。

すると千秋さんは


「ふふ」


と悪魔的な笑みを浮かべ笑った。

結局蹴られた消しゴムは俺が取りに行った。

あとで千秋さん説教だな










「千秋さんあれはどういう事なのかな?」


俺は授業後千秋さんに問い詰めた。

あの後もイタズラをされた。

例えば手をあげてないのに

「先生。中村さんが手を挙げてます」

など

酷かった。

さすがにイラついたので問い詰めることにした。


「いたずらですが?ふふ」


「おい笑うなー!」


「だってイタズラする度に中村くんが嫌そうな顔をしてこちらを見てくるので」


「あんたははドSかなんかか」


「はぁ」


俺はため息をついて次の授業の準備に取り掛かった。

次の授業の教科書やノートは今日の朝入れた覚えがあるので入ってるはず

(ん?あれ?)

カバンを漁っても教科書が出てこない

嫌な汗が出てきた。

教科書を探していると


「あれ?中村さんまた教科書忘れたのですか?」


千秋さんは悪魔的な笑みを浮かべながら問いかけてきた。


「うn」


うん。の”ん”を言いかけた時あるところに目がいった。

それは千秋さんの机

千秋さんの机の中に次の授業の教科書がある。

今千秋さんの机の上には次の授業の教科書がある。

千秋さんは今教科書を2つ持ってるということ。

(ん?まさか!)


「その机に入ってる教科書俺のじゃないよね?」


「ま、ま、ま、ま、ま、ま、まさかそんな訳ないじゃないですか?!」


バレバレすぎる


「はぁ」


俺はため息をついて彼女の机の中に手を伸ばした。

すると千秋さんは


「だめです!女の子の机の中を漁るなんて」


千秋さんは大きな声でそう言った。

そのためクラスメイトの視線が俺にむく


「うわー中村くん最低ー」

「中村くんないわー」

「悠太ごみー」


「いやこれは違う!てか飛鳥しれっと俺の事ゴミっていったよな!」

「これはな。千秋さんが俺の教科書を奪って机の中に入れたからなんだよ。」


「ほんと〜?」

「嘘だー」


もう視線が痛い。

早くこの状況を終わらせねば。


「はい。千秋さん返して」


「むー。中村さんはノリが悪いですねー」


ぷくっと頬をふくらませた千秋さんは俺に教科書を返した。

ふぅ。これで一安心

と思っていたのだが


「中村くんノリ悪ーい」

「中村くん携帯とかちゃんと使えてるー?」

「悠太ごみー」


「おれはどうすればいいんだよ!それと飛鳥おれのことゴミというな!」


こんなやり取りしたのはいつぶりだろう

今まで友達が少なかったからこんなことなんて滅多にしなかった。

(こういうのも案外悪くないな)

と心の中で思っていた

その時視界の端で千秋さんが笑ってたような気がした。






あとがき

読んでいただきありがとうございます!

次の話もお楽しみに!






























































































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