第14話 追い込み
夏休みの過ごし方は2種類ある。
1つは宿題をしっかり計画的に余裕を持って終わらせるタイプ。
もう1つは夏休みだからと遊び回って最後の方に宿題が終わらずに地獄を見るタイプ
俺と葵は前者でしっかり計画的に終わらせる。
だが、恭弥は後者で毎回俺に頼ってくる。
なぜ先にやらないのか。
反省してくれればいいものを。
ちなみに角積さんはテストがダメなだけで宿題はしっかりとやるタイプらしい。
じゃあ俺じゃなくて角積さんに頼れ。
「お邪魔しまーす」
「邪魔するんやったら帰ってー」
「へいよー。じゃねーよ」
「ちぇ」
今日は午後から俺の部屋で宿題。
まぁどうせ丸写しだろ。
「早く終わらせろよ」
「おうよ。今年は反省して半分は終わられせるぜ」
「反省してるんなら全部終わらせてるんだよ」
その自信どこから出てくるんだよ。
「じゃあ俺は漫画読んでるから」
「話し相手になってくれよー」
「そんなことしたら進まないだろ」
おれはベットに寝転がって漫画を読み出した。
「で、夏休みはどうだった?」
「どうもこうもないよ。普通だ」
「そうじゃあねーよ。なにか進展はなかったのか?」
「進展もないにも俺たちは幼なじみだ」
こいつはすぐ恋愛に持っていこうとする。
「幼なじみとの恋。いいと思うけどなぁ〜」
もうほっておこう。
「真面目な話さお前寺島さんの事どう思ってるの?」
無視しようと思った。
けど、恭弥の声が真剣だったのとそれにつられて顔を見たらこっちを真っ直ぐ見ていた。
「幼なじみ。それ以上でもそれ以下でもない」
俺も恭弥をまっすぐ見て答えた。
「そうか、わかった。けど、ひとつだけいいか?」
「なんだよ」
「もし、何かあればちゃんと真剣に考えろよ。相談にものるから」
「わかったよ。覚えとく」
「おうよ」
「それより早く宿題終わらせろ」
何かあればか。
別に何も起こらないよ。
俺と葵だぞ。
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