第90話 元おじさん・・・やらかす。



 夕飯のブラックオークのハンバーグを美味しく頂きお腹を満たして、お風呂にゆっくり浸かりながら心を癒して、お腹と心を満足させた事で余裕が出来た。


 ・・・しかしそれがいけなかった、Sランク宝箱(特殊)を開ける前に余裕のある心がチョットした好奇心を思い出させた。


 本人談、『ほんの出来心だったんです、まさかあんな事になるなんて予想出来なかったんです。

 Sランク宝箱(特殊)以上の厄介事なんて起こらないと思い、つい遊び心でヤッてしまいました!』以上、おじさんからの言訳です。


 でもこの状況・・・如何どうしようヤラカシタ!


 事の発端は、心に余裕が出来た事で思い出したドロップアイテム。


 ・白い部屋:用途不明

 ・白い右腕:用途不明

 ・白い左腕:用途不明

 ・白い右足:用途不明

 ・白い左足:用途不明


 用途がわからなかった白いシリーズをふとした好奇心からこれってくっ付くのではないのだろうか?


 そんな考えが思い付くとついつい出来るかどうか試したくなってしまい。


 やってしまいました! てへ☆


 ・・・試しに一時的に接続してみた。


 まずは、白い部屋をに設置して部屋の底面に両足をに接続して、足の向きに合わせて左右の壁にそれぞれの腕を接続した。


 何も起こらなければ直ぐに引っこ抜くつもりだったが、接続が完了すると同時に全体が脈動を始めた! そしてまばゆい発光現象と共にその姿を変えた!


 縦長の四角い立方体に太い筋肉質の腕とスプリンター並みの足が付いた奇妙な生き物?が此方に奇妙な動きをしながら近づいて来る! 何だあの動きは攻撃か? するとラヴィが報告して来た。


「解読しました、マスター如何どうやら彼はボディランゲージで我々に危害を加える意思が無い事と彼と契約して家主に成って欲しい事を伝えています」


 家主? もしかして家なのかアレは?


「回答します、如何やら各パーツを接続する事で起動する魔法生命体の様でマジックハウスの自立移動型と認識して頂ければ良いかと思います」


 意志を持って自立移動が出来るマジックハウスか・・・正直おじさん達には必要無かったりする。


「回答します、正直その通りなのですが、彼方あちらでショックを受けたポーズ取りながら泣き真似をしています」


 以外と知能が高いのか?


「回答します、宿主のサポート等も行いますのでコミュニケーションや家事手伝いは問題無くこなせるそうです」


 先程の泣き真似とは打って変わって陽気に身振り手振りで意思疎通を図って来る!

 まぁ、解るのはラヴィだけなのだけれど問題無いだろう。

 その後、ラヴィが白い家?から自己PRを聞いておじさんに説明してくれた。


「説明します、彼は『自己自立型機動マジックハウス・白い家人シリーズ、プロトタイプ:ホワイト○○ス』(○○は記憶から削除されていて思い出せない)です」


 じゃあ○○は、「ホー」で今日から君はホワイトホースな!


 するとホワイトホースは激しく踊り出した!


「説明します、名付けて頂いた事を喜んでいます」


 ・・・(ホワイトソースでも良かったかな?)


「説明に戻ります、ホワイトホース以外の白い家人は様々な要望に合わせた内装や施設を完備してマジックハウスで家主も専門職が多かったらしいのですが、ホワイトホースはプロトタイプの為一切の施設も内装も無いそうです」


 ・・・くっ、そ そうなんだ。


「ですが、その分自由度は高く、素材や家具、機材やスキルオーブ等を組み込みますと家主好みの素敵なお家に成って見せますとアピールしています」


 ・・・要するに自分好みの家をしたいのならば貢げみつという事かな?


「回答します、概ねその通りです」


 全力で違うと腕を振っている、う~んホワイトホースを邪険にするつもりは無いけれどおじさんにはマヨヒガが有るし、ここ以上のくつろげる所も無いしな。


「解読します、『そこを何とかお願いします! 仮契約でも良いので! 先っぽ! 先っぽだけでもお願いします!』との事です・・・解体しますか?」


 あっ! 土下座した、これ以上揶揄からかうのは可哀そうだし、それに胴体を前後逆にしてしまった負い目もあるし。


「回答します、『その程度は問題無いそうです、それよりも家主に成ってマスター好みに変えて欲しい』そうです!」


 ・・・男に好かれるのはチョット勘弁して欲しいな。


「回答します、『御希望でしたら女性型にも成れます』との事です」


 ラヴィが説明すると腕と足が女性の様な姿に変わった・・・いや何か違う気がする。


 このまま押し問答をしていてもらちが明かないので取り敢えず仮契約で契約(使役)する事とした。


 ホワイトホースは喜びを表す踊りを踊っていた。


 さて、ラヴィ実際にホワイトホースは人目のある場所では連れて歩けないだろう?


「回答します、非常に目立つ事は間違いありませんし、移動出来るマジックハウスを所持しているというだけで面倒事が転がり込んで来るでしょう」


 だよね~、特にダンジョン攻略ではとんでもないアドバンテージだし、絶対に絡まれるよな!


 当面は自宅マヨヒガ待機だな・・・そうだ! ついでにホワイトホースの中を見せてよ! 間取りなんかも知っておきたいし。


 そう告げると、少しモジモジしながら背中を向けて体育座りをした、背中には白い扉が在りここを開けて中に入るそうだ・・・? あれこれ扉が前だった場合は入る際にホワイトホースの足が邪魔になるから正座かM字開脚でないと入れないか? それ以外は足を踏みつけて入る事になるかもしれないかな。


 内部は全てが真っ白の空間だった、目がチカチカするな、空間を操作しているらしくかなり広い空間だった、内部の案内人なのか女性の姿を形どった人形が現れて案内をしてくれたがただの広い空間なのであまり意味が無かった。


 残念そうに落ち込んでいたので、ストレージから過剰気味の素材と資材を受け渡して内部の改装を頼んだ。


 その後、ホワイトホースから出ると今後の方針として人目のある所では自宅待機、人目の無い所は状況によって呼び出す事にした。


 まぁスキルも戦闘能力も無いのでどうやって改造しようかなと〈ホワイトホース強化計画〉を密かに考えているおじさんなのだ。

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