ふたりだけの、同窓会

勝利だギューちゃん

第1話

人は生きている限りは、歳を取る。

まあ、あらゆる生物がそうだが・・・


仲が良くても、離れたら疎遠になる。

それでいいし、そうあるべきだ。


学生時代・・・

特に高校生時代に付き合っていた人と、ゴールインするのは、ごくわずかだ。


稀に同窓会なので、その人に会うと、やたらと気まずい。


だが、そんな機会はなく、気が付いてたら、定年をし孫もできた。

既に鬼籍に入ったクラスメイトたちも、多い。


まあ、90近くにもなればたいてい、天国で生活しているな・・・


「とうとう同期生は、わしとお前のふたりになったな」

「そうですね」

「まさか、ふたりで同窓会を開くとはな」

「まあ、気持ちが若くなっていいじゃないですか」


わしらは、高校時代から付き合っていた。

まさか、この歳まで会う事になるとは思わなかった。


「でも、同窓会って感じがしないな」

「まあ、夫婦ですからね」

「もうじき、ダイヤモンド婚式だな」


そう・・・

結婚60年目を迎える。


もう、しかし25のときに結婚したので、人生100年。

まだ、15年もある。


「たーくん、これからもお願いね。大好きだよ」

「その言い方、懐かしいな」

「ほら、あなたも・・・」

「まーちゃん、いつまでも仲良くしてね」

「うん」


公の場では出来ないな・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ふたりだけの、同窓会 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る