第11話
先輩と住んでいた家を出てから
自暴自棄になった。
1人になると、場所を問わず涙が溢れていた。
ひたすら"消えたい"と思っていた。
精神科にも通った。
"少し休んだ方がいいですね"
そう言われて薬をもらった。
でも、薬は飲めなかった。
飲んだら、もう2度と先輩のことを思い出してはいけない気がしたから。
1人になるのが怖くて、
仕事がない日は誰かに会った。
このままじゃダメだと思って、
出会いの場に顔も出した。
一夜限りでもいいから、寂しさを埋めたかった。
でも、出会う人はそんな私を大切にしてくれた。
一日で終わって欲しい関係でいいのに、ちゃんと向き合ってくれた。
身体だけの関係の人なんて作れなかった。
寂しい時、何もせず、ずっと一緒にいてくれた人もいる。
ご飯はちゃんと食べなきゃ、と言って一緒にご飯を食べてくれた。
私はワガママばかりを言っていたと思う。
あの頃は、若さと自由とほんの少しの可愛げがあったから、許されたのかな。
その時の話はまた別の機会に書くことにするよ。
とりあえず、先輩との話を完結させなきゃね。
これを書き終えないと、生き霊となって、先輩のところをずっとウロウロしていそうで、そんな自分は嫌だなって思ってるんだ。
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