初恋
家の近所に駄菓子屋があった。子供の足でも5分とかからない、同じ町内の小さな店だった。天井近くの高いところに型落ちした古い小さなテレビが置いてあったけれど、ついぞそれが点いているところは見たことはなかった。壁は塗装が剥げかかっていて、店は無愛想な老女の店主一人で、体があまり良くないらしく無人で開け放されていることも多かった。
壁に貼られた古いポスター。日に焼けて色が褪せたそれには、アイドルらしき褐色の女性が笑顔で写っていた。
一目惚れだった。高鳴る心臓が体を揺さぶっているような気さえした。脈動が耳元でずっと聞こえていた。混乱して何も考えられなくなり呆然としながらも、頰に熱がこもって行くのを感じていた。きっとあれが、私の初恋だった.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます