俺の生きるべき場所はどうやら異世界らしい

ユッケ

第1話 重盛敦

重盛敦は、近くの高校に通う平凡な高校生だ。

4月から2年生になり、心機一転。心も入れ替え頑張るそんな時期なのだが、、。


「ダルい」


重盛敦は、ダラけていた。

高校まで徒歩5分ですぐに行ける距離だが、彼はそれを許容しない。なぜなら過ごす1日が予想できるからだ。

登校、授業、下校。この三拍子が3年間ひっつき虫のように付いてくる。それはたしかに仕方がないことだ。だが重盛敦はこの三拍子がどうしようもなく苦痛に感じていた。小学校、中学校まではなんとか我慢できた。高校までくると最早限界だ。


「あーーー。寝返りうつのでさえめんどくせえわ。」


重盛敦はそんな堕落した言葉を言い、枕元に置いてあったライトノベル、ラノベに手を出した。

重盛敦が読んでいるラノベのタイトルは「異世界ハーレム魔術師伝説」本屋でそのタイトルを見た時、笑いを堪えるのに必死だった。いったい作者はどんな生き方をすればこんなタイトルの作品を書けるのだろうと思い興味本位で買ってみたのだ。


「この小説って設定はちゃんとしているんだよな。テンプレの中世ヨーロッパとか俺tueeeだけど、、ただなあ。」


設定がたしかにしっかりしている。実はその作品はアニメ化しているのだが、実際見てみるとホントに駄作と言えるものだった。原作のキャラを使用せず、アニメオリジナルキャラを主人公に敵として登場させている。まあ、この作品が好きな人からしたらブチ切れ案件だ。


「早くこの何も無い世界から卒業したい、、」


ピンポーン


インターホンの音がなった。重盛敦は、仕方がなくインターホンの応対に答えることにした。押した本人は、月森里美。重盛敦の幼なじみだ。


「あっちゃん!早くいくよ。早くしないとほんとに遅れちゃうよ、」


と言いながら、重盛敦の手を引っ張る。学校の支度は既にしている。行きたくないだけだった。

そんな俺と重盛敦の会話を聞きながらほほえみの眼差しが向けられていた。

母だ。


「あんたら、、早く結婚したらいいのに、、」


まったく母親というものはどうしてこんな勘違いをするのだろうか。重盛敦と月森里美が幼なじみだと知っていながらの発言だ。まったく、、はぁだ。


「お母さん!もういいから!」


赤面をしながら否定している月森里美を他所に重盛敦は寝ていた。引っ張られながら。


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