第5話 病室って何か怖いよね
大学病院はやはりとても大きくて、二人で「おお・・」と感嘆の呟きをこぼした。
「白川病院からですね。・・はい確認しました奥の方へどうぞ」
受付の人に白川病院でもらった説明書を渡すと素早く処理されすぐに奥へ案内された。
「こんにちは。早速ですが検査に移りたいと思います」
診察室の中には白川先生とは違う雰囲気を漂わせた男の先生がいた。
名前は・・・久保さんらしい。
挨拶を軽くした後もう検査に移ると言われた。
ちょっと待って。
まだ心の準備が。
「どんな検査でしょうか」
母さんナイス!そのまま時間稼ぎを!
「そんなに力いれなくても良いですよ。なあに、一通りするだけですから。」
・・説明、それだけ?
というか一通りってなに!
白川病院の時よりも心配なんですけど!!
私は色々な機材を転々として一時間ぐらい経ったんじゃないかな?(現実では二十分だった)と体感時間が狂う。
「・・・はい、これで検査は終わりです」
「疲れたー」
「こら、人前でしょ」
人前だろうが関係ない!
ガチで疲れたんだもん!
「いえ、構いませんよ。結構しましたからね。すこし待っていてください。体調がおかしいなと思ったりきついなと思ったら大人にすぐ言ってくださいね。いいですか?絶対ですよ」
「わ、分かりました・・・」
そんなに念を押さなくても・・
私、溜め込まないよ?
「それではこちらへどうぞ」
「会議室・・・?」
どうしてこんなところに?
「座ってください」
そう言う久保先生の後ろには看護師さんがピッタリと何かを持ちながらついてきている。
元々嫌な予感はしていたが今度は悪寒も増した。
「こちらをどうぞ」
「・・!これって・・・」
「?」
母さんは驚いたように目を見開いているが私はてんで
わからない。
母さんがわかっているということは医療に関係することかな?
「お子さんは・・・・・
それからは衝撃的すぎてあまり受け入れられなかった
様々な情報が入ってきて頭はもうパンク状態
やっと整理がついてきた頃には話は終盤になっていた
「・・・それでこれからの話なのですがお子さまは、いえ麻也さん」
「・・はい」
「恐らくですが貴方の余命は3ヶ月といったところでしょうか」
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