第6話  再び保育園

子供達がまた 小さな保育園でいつものように笑っている


「ミルは玩具ではないと アイラは認識してます

ボールのように投げたり

おもちゃ箱に入れるべきでないです」


アイラはこの場合 認識機能の中から

ちょっと困った表情を選び そんな顔をする


「えへへ」死んだはずの男の子ジャックが笑う


「ミルはまた、おもちゃ箱の中ああ」死んだはずの女の子 奈々子も言う

ちゃかずように きゃはは!と笑ってる


つられて他の子達も楽しそう


「ミル おもちゃ箱から出てきなさい」


『ブーブー』という音を立てて球体型のロボット

ミルが出てくる


どうやらご不満そうなミル


「ミル 私達は人間に仕えるべく作られました

アシモフの三原則を守り お仕えしなくては」ミルク


クルクルと回ったり ポンポンと弾んで

不満の気持ちを表す ミル


「この前の遠足 楽しかったああ

また行きたいね」


「たこさんウインナー好きいい」


「いちごの採り放題」


「うん」「そうだね」


「おやつの時間です 間もなく

用意出来ます」


その言葉に合わせるように 

メイド姿のカカオがワゴンにお菓子や飲み物を積んで

部屋に入って来る


「わあいい お菓子だあ」「お菓子いい」


「先日の苺の採り放題の分から アイラが

ケーキやゼリーも作ってます」


「わああいい」


ミルクがアイラに声をかける

「アイラの状態に問題ありませんか?

三人の子供達は?」


「アイラの状態は 問題ないです

前のボデイからの記憶チップの移行は問題なく稼働中」


「・・・三人の子供達の『新しいボデイ・肉体』も『問題なし』です」


「子供達の『記憶の封鎖』および 『すり替え』も『問題なし』です」


「追記事項 すべての子供たちの肉体に

 疫病および放射能の影響もありません」

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