永遠の輪舞

のの(まゆたん@病持ちで返信等おくれます

第1話 小さな保育園

「おかたずけしてくださいね アイラはお願いしました」

ロボットのメイドさんアイラは 

自分の機能の一部から選び

ちょっと怒ってみる仕草や表情 動作をする


アイラはあまり人と変わらない姿 


それに手助けのロボット1体 ミル


ミルは サッカーボールのような丸い球体 

大きな目の代わりのスコープなどがついてる


「きゃはは」「はああい」

小さな子供達は 笑いながら玩具を大きなおもちゃ箱の中にかたずける

・・というか入れる・・ほおり込む


「壊れちゃうよお」「大丈夫 直せばいいもん」


「あ、ミルを箱にほおり込んだ!」「ミル壊れちゃう」


「・・・ミルは大丈夫です 出てきなさいミル」


文句を言うような音を立てながら 

ミルがおもちゃ箱から出てくる


二十数人の子供達の人種は様々で ほとんどが同じ年齢

でも皆 同じ言語を話してる


絵本を読んでる子の一人が言う


「ねえ アイラ

お父さんとかお母さんって 絵本の御話の中に出てくるの

それって何?」


「こちらのパソコンの画面をご覧ください」


大きなパソコン画面上の解説に

ロボットのメイドのアイラが指し示す


「はい それは以前、人間は男女の生殖で

次の人間を作っていたのです

女性体が小さな人間を産む 男性体が必要な精子を提供する


小さな人間 この時は赤ん坊ですが

男女ペアになって育てていたのです 


もう70年前以上前の事になるのですが」


「沢山の人間の中から それそれがペアになる

特別な一人を互いに選び 『結婚』という儀式を経て

・・それから」


ふんふんと子供達は熱心に聞き入る


「僕たちもペアになるの?」


「はい 成長して 子供を作る身体にまで

なったら・・です」


「・・・僕、アイラがいい」「俺も えへへ」


「アイラは子供を作る事は不可能です ロボットですから

人間の相手を選ぶことをお勧めします」


「アイラ 私もアイラがいい

アイラはお菓子もご飯も作るのが美味しいもん うふふ」

ツインテールの女の子


「・・・・・・

熟考をお勧めします」


「お昼寝の時間です」別のメイド姿のロボットがやって来る


「ミルク わかりました」


「あ、ミルクだ」「ミルクうう」


「はいミルクです 仮眠の睡眠用の部屋に参りますよ」


子供達は別室のそれぞれのベットに寝かされる


部屋が暗くなり アイラが部屋のスイッチの一つを押す

シュウウウ 小さな穴から白い煙が部屋中に充満する

睡眠薬である


「今日は安眠用にラベンダーの香りも装填してます

いつものように15:00に起床です お休みなさい」


「・・アイラ 明日はピクニックだよね」


「はい 明日の天候は晴れです」


「・・ドームの外に行ってみたい」



「ドームの外は危険です 核戦争後の放射能

生体兵器として蒔かれた『変異型天然痘ウイルス』などの複数の疫病

ロボット三原則を守れない『攻撃型戦闘用ロボット』もいます」


「どうして70年前 人間は自分で自分を滅ぼしたの?」

眠そうに子供達の一人が聞く


「・・・とても残酷で長い事情があります

いつかマスターが御話してくださいます」


「お休みなさいませ」「はあい」子供達は眠りにつく


部屋から出るアイラとミルク

小さな綺麗な屋敷 木々の緑は美しく 

愛らしい小鳥やリスも 小鳥が鳴いている。


「マスターは以前お花を喜んでいました球根を植えましょう」


「はいミルク」


ここはノアの箱舟ならぬ 世界に残された小さな唯一のドーム・・



初稿21年4月22日 4時ごろ   

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