高代槙生について、思うこと
高代槙生(こうだい まきお)。
ヤマシタトモコさんの『違国日記』の登場人物。
職業:少女小説家。
嫌いだった姉・実里の遺児、朝を引き取るところから物語が始まる。
私と似ているけれど、違う人だと思った。たしかに人間が苦手で、孤独を愛していて、人がいると落ち着かないのは私とそっくりだ。
でも、彼女は朝を引き取る。嫌いだった姉の子どもであるのに、だ。私は決してそうしないと断言できる。血縁者に対する気持ちが嫌いから無関心に変わって、まだ日が浅いけれど、私は槙生と同じ状況に置かれたら、朝を引き取らない。
葬式にすら出ないかもしれない。「ふーん」とだけ言って、予定通り仕事を進めて、いつも通りにごはんを食べて、シャワーでも浴びて、寝たら忘れている。そんな気がする。
何だろう。例え血縁者が亡くなろうと、その遺児がたらいまわしにあっていても、私には動く心がない。槙生にはある。少なくとも、子どもはこんな状況に置かれるべきではないと言う。
そして何より、槙生はコミュニケーションが上手くはないが、真摯であろうとしているように見える。朝の親友、えみりに対しても、苦手だなと思いつつも、自分の言葉で、伝えていく。
私は、できない。
というか、やらない。
お金の発生しないコミュニケーションを頑張る気がない。仕事におけるコミュニケーションはすべて、仕事のためだ。だが、プライベートには、お金は発生しない。プライベートでコミュニケーションを頑張らなくても、死なない。
槙生には、えみりや朝とコミュニケーションしなければならない理由などない。まして、真摯である必要も、ない。
だが、槙生は朝の無自覚の残酷さやえみりのもやもやに向き合っていく。
槙生と同じ歳になっても、私はそれをやらない。既に、やらないことリストに入れたから。
槙生が正しくて私が悪いというのではない。ただ私は家庭とか家族とか呼ばれるものを作るのには不向きで、槙生も決して向いているわけではないが、頑張っているという話だ。
ただ、プライベートをおろそかにし過ぎると、仕事をしない日々が始まったときに困るだろうから、趣味は持ち続けるよう心がけよう。
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