螺旋をめぐる
染井雪乃
2021年
4月
読まれるための文章ではない。
小説にしろエッセイにしろ、書くからには読まれたいのが心情ってものだろう。だから、技法があるし、文章術の本は売れる。うまい文章が書けるようになりたいと誰もが思っているのかもしれない。
TwitterやInstagramの投稿だって、たくさんいいねがついたらそれはそれで嬉しいのは、わかる。
どんな人がこれを読むのか、読んでその人にどうなってほしいのかを考えて文章を書くことは大切だ。それは物書きであってもなくても、要求される思考であると思う。
だけど、私は、それだけにはなりたくない。
うまくなりたいはなりたいけれど、「読まれる」ことだけを目的に書くのは嫌だ。書きたいから書く。そんな文章をここで書こうと思う。
だから、ここには、新しい発見とか気づかなかった世界とか、レアな経験とか、そういう「目をひく」ものは多分ない。
エッセイって、本来そういうものでもないなとも思う。何気ない日常を作者の目で切り取るところに、味わいがあるんじゃないか。
エッセイかくあるべし、みたいなことを言うつもりは全然ないのだけど、レアな経験でないと素材にならないとか、そんなことはないとだけは言いたい。
そもそも、おもしろいって何だろう。レアな経験をしていれば、おもしろいのか?
私自身も、たしかにレアな経験はそれなりにしている。けれど今回はそれらではなく、役に立たない話をする。
そんな決意をしてみたのだけれど、役に立つ文章ばかり書いていると、いざ、書きたいように書きたいことを思うままに、と言われても困る。困るけど、書いてみる。
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