短編集
九太郎
生配信中に妹が乱入してきたらなぜかバスったのですが
「はいどうも~皆様おまたせしました」
俺は某動画サイトにて生配信をしている配信者だ。
いつも配信している時間帯に生配信をする、普段はゲーム実況したり雑談していてゆったりと配信しているスタンスなので有名な人と比べれば俺は有名にはなっていないが楽しんでやっている。
「おにい~ちょっといい?」
「!! おまっ!」
配信中に妹が突然乱入してきて、俺は焦ってしまう
「早く出ていってくれ!」
「何? 焦って、エロい物でも見てたの~♪」
「違うから!! 頼む!」
妹がウザく絡んでくる、いつものなら冷たくあしらうところではあるが今は配信中で俺もそれどころではない、俺は妹に強く懇願する。
「……は~い、わかったよ」
「………フーっ」
「おにい~あとでお願いね~」
「…!! わかったわかった!!」
ドアの向こうから聞こえてさらに焦ってしまう、急いでライブのコメントを見ると案の定騒いでいた、コメントがいつもより早く流れていて流れているコメントも「今の子誰!?」や「妹キター」などのコメントで沢山だった。
「す、すいません~みんな」
この日は騒動が落ち着くのに手いっぱいの配信になっていたが…話はここで終了ではない…
「ねぇねぇおにいー」
「なに慌ててんのー ぷぷぷ」
「あそびにきてあげたよーお・に・い♪」
……毎回配信中に乱入してくるのだ、俺も毎回慌てたり、視聴者の対応したりと大変になってきていたのだ。
さすがにウザい域を超えてきたので本気を注意しようと思ったその時にもっと大変なことが起こったのである。
「嘘だろ、俺のチャンネルの視聴者増えてる…」
それだけではないSNSで噂になっていたりと明らかに人気なっているのだ,原因は言うまでもない、目の前にいる…
「どうよ、どうよ~おにい、私のおかげでしょ?」
目の前でドヤ顔をこちらに向けてくる、ウゼェ…
「…とにかく、もう配信中に入ってくるなよ」
「えーいいのかなー」
「何がだよ」
「視聴者の皆さん」
「う…」
「こっちの方が望んでいると思うけど~」
「………」
正直…悩んでいる、妹がいるおかげで配信はウケている。前からのファンも評価は良いのだ…
俺もいろんな人見てもらえるのは素直にうれしいが…
「で? どうすんの? おにい」
「……仕方ないか…」
……腹をくくるしかないか…
_________
「皆様おまたせしました~」
「どうも~みなさん、こんばんわ~」
妹も配信に参加することになった…いったいどうしてこうなった…?
『ほら、ゲーム何やるの?」
「…そうだな今日やるのは…」
妹と一緒にゲームをやることでコメントや反応が増えていく、妹は一般的に見てかわいいと思うし声もきれい文句ない妹…ある一点を除いては…
「うっわ~おにい下手くそ~私がフォローしよっか?」
俺に対してはすごくうウザいけどな!!
でもコメントを見ていると俺へのコメントよりも妹へのコメントが圧倒的に多い、配信の反響もここまでになったことはないので驚いている。
人気なってうれしいが、経緯が経緯だけに素直に喜べない、俺の今までの活動は一体何だったんだ…
「フォローしてあげるね♪」
「…頼む」
…後、俺は決してゲームは下手ではないからな!
「いや~それにしてもよかったね~おにいは、私のゲームの上手さのおかげで助かっているんだから、そう!! 私の! ゲームの! 上手さに! ドヤァ」
「なんで二回も言った!? こいつ…」
「大事なことだからですーいやーごめんねおにい」
「すごくウザい!!」
くそ、調子に乗ってやがる、コメントも俺のことを笑っているばかりだな。
…それにしてもほんとにゲーム上手いな、俺もゲームが下手ではなくできる方なのだ。それなのに俺よりもうまいこいつは一体…
「お前、すごいゲーム上手いな…」
「ふーん、そうかそうか」
「…? なんだ?」
「おにいはそんなに私にゲームを教えてほしいのかー」
「え? いや、ちがっ」
「しょうがない、あとで教えてあげますね」
「何そのキャラ⁉ なんでそんなにうまいのかって聞きたかったんだ」
(……おにいと一緒に遊びたくて練習してた)
何か言いてるが小さな声で言ってうまく聞き取りづらかった。
「なんて言った?」
「……おにいの悔しがる姿が見たかっただけですけど、何か?」
「なんですと?」
「いやーゴチですわー本当にありがとうございます~」
なんだそりゃ!? 嫌がらせの為かよ!
「お前なぁ…」
「まぁまぁ、次やろ! 次!」
正直、妹といきなり配信することになって戸惑いでいっぱいだ、こいつは俺に対してウザいし、これからどうなるのか全く分からない…
…そういえばコメントで「ニヤニヤ」や「甘い」みたいなコメントが多かったがどういう事なんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます