日常の蛇
青条 柊
第1話 サン&シュエ(+下っ端)
大国、倫。
皇帝陛下が治める国。
そんな国には裏組織がある。当たり前だ。
そんな裏組織の一つ。最も国に近く、最も深いところに潜る組織。
それは『
皇帝陛下直属の部隊にして、最高の諜報機関だと自負している。
潜入、情報操作、暗殺、陛下の
そりゃ俺が『
陛下の護衛を担当する『
というか正直『
少し弱すぎる気がするんだよな。玉体を守るなら少なくとも俺の二倍ぐらいの気が無いと無理だと思う。
まぁ、それはそれとして。
今日は『
まぁ、結構簡単なんだがな。
だって何人かの面子を紹介すればいいんだから。
ん?あれは……ちょうどいい。
「やぁ、サンの姐さん」
「あら、下っ端じゃない」
メイド服のスカートをはいてタキシードの上だけを着た奇抜なファッションの女性だ。多分。
「どうかしたのかしら?」
「いや、今日も変な服だなって」
「消されたいのかしら?」
「いや、今日も素晴らしい服のセンスですね」
「言い直すのなら最初から言わなければいいのに。そう思わない?シュエ」
因みに、今いるのは廊下で、俺とサン以外には誰もいない。少なくとも俺の知覚できる範囲には。
気を一切漏らさずに壁三つ隔てたところ辺りに潜まれなければ分かるから、見つけられる自信があるから。
すなわち、シュエとは。
「ああ、そうだね、サン。僕の服はいい服だろう」
サンが喋る。いや?サンの口が動いているだけだ。
「そうよね、私のスカートだっていい感じだわ」
サンが喋る。今度は姐さんだ。
そう、めんどくさい感じの二重人格なんだ。多分。事実は知らない。
サンとシュエは二人で一つの体を持つ。
なぜかは知らないが、上半身はシュエのもの、下半身はサンのもの(顔もサンのもの)らしい。
訳がわからない。
ぱっと見は胸の無い女だと判断してしまうが、いや、生殖能力的にはそれでいいんだけど、上半身は男らしいので、筋肉レベルが違う。
まじなんなん。
口と目は両方が分け合って使っているらしく、たまに、右目と左目で別の動きをする。怖い。
「あら、何だか腹が立つことを言われた気がしたわ」
「うん?何だか変なことを言わなかったかい?」
「あ、いや」
「「稽古、つけてあげようか」」
あ……
この後めちゃめちゃ殺されかけた。
まぁ、こんな感じだ。これからも『
第四の壁は無視していくぜ、だってそれが俺だもの。
さて、では最初の壁スルーだ。
俺に名前を下さい。
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