ネク・ビエンテ 黒霧の館9
冷気の渦はやがて形を生して人の姿へと変えた。ただし、皮膚は白に近い青色をしていて冷気で氷霧が発生している。
音もなくフォールスが右肩から斜めに冷気の人型に切り込む。
あまりの早業に一瞬何が起きたのか分からなかった。この私が、見切れなかった。フォールスは本気で斬りかかったのだ。
切断された上半身は浮かだままで、切断面同士が氷霧で繋がり元の姿見戻ってしまう。
なんだあれ、不死なのか、だとすると厄介な相手になる。
「た…あぁ、こ……しッだ……」
冷気の人型が、発した声に全員が動きを止め、フォールスは2人の元に戻る。
「意思があるようには見えんが」
「……まさかね」
「何か知っているのか」
「アレをどうにかしたら憶測だけど話すよ」
ノアは硬い表情で目の前の冷気の人型を見ている。その顔は哀れみも帯びていた。
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