エッセイってこういうのでしたっけ?

霧野

第1話 自己紹介

 ご訪問ありがとうございます。霧野です。


 普段はうっすらファンタジー風味のしょうもない妄想をダラダラと垂れ流しているわたくしなのですが、

 この度、「カクヨム公式レビューをねらえ」という企画を目にしまして、

「いっちょ乗っかってやろう。うひひ」と初めてエッセイなるものに手を出しました。ノリと勢いで生きております。


 エッセイなんてものはオツムの程度が丸わかりになってしまうので、ここでは書くのを避けてきたのですが……「拙い文章とアホ丸出し作品を散々曝しておいて、何を今更」と開き直りました。

 ノリと勢いで生きている人間が開き直りました。これは危険な兆候です。自爆街道まっしぐらです。

 どうせ後になって「こんなもの書くんじゃなかった……」と頭を抱える羽目になるのです。いつもそうです。


 妄想の赴くままノリノリで書き上げ、ろくに推敲もせず勢いで投稿し。

(いや、何度も推敲しているのですが、時間をおいて読み返すと後悔で身悶える)


 そして他の作家様の面白い小説を読んでは、自作の拙さつまらなさを突きつけられズドンと落ち込む。

 

 落ち込んだならよせばいいのに、またニヤニヤしながら別のお話を書き始める。


 後悔することは知っているのに、また書いちゃう。だって、頭の中にお話が浮かんであふれ出て、それを書き留めていく作業が楽しいから。


 そして、「せっかく書いたから…」と公開して……やっぱり後悔。


 公開と後悔の間を全力で往復しているのです。なぜ、懲りないのか。それは、私がアホだから。はい、また開き直りました。





 いつまでも開き直っていても仕方ありませんから、話を前に進めます。


 そういえば私、恥ずかしながら毎週金曜夕方に行われている「特集」というのを今まで知りませんでした。いやぁ、面白そうなのにもったいないことをしました。真性うっかりさんです。困ったものです。って、話を前に進めましょうってば。



 さてさて、今回の企画はエッセイかノンフィクションであれば何でもいいらしいのですが、「読者に新しい発見や出会いを提供してくれる作品」が期待されているとのこと。

 なので、「私が『小説を書く』ことに挑戦した経緯とその顛末」を書いてみようかと思います。サブタイトルが「自己紹介」ですしね。

 小説書いてみようかな、どうしようかな、と悩んでいる方にとって、何かしらの参考になればと思います。



 昔から、妄想癖がありました。妄想全開のアホブログなんかもやってます。

 で、そこに妄想をダダダダッと書き込むと、読者様からガガガガッとコメントが来まして。これが楽しくて調子に乗り始めた矢先、そのアホブログの隅っこに

「応募作品をプロの小説家が読んで感想をくれるよ〜」という触れ込みで、某出版社主催コンテストの宣伝が掲載されたのです。


 調子に乗っていた私、もちろん乗っかりました。

 初めて書いた小説、「サレンダー 〜 翼の守人 〜」を滅茶苦茶ビビりながらも送りつけました。

 だって、「プロの小説家からの感想」ですよ。こんな機会、滅多にないじゃないか!!……と、当時の私は思ったのです。


 しばらく後、触れ込みどおり感想文が送られてきました。

 あっさりした感想でしたが、少なくともきちんと最後まで読んでくださったことがわかりました。感想を書かれた方のお名前はありませんでしたが、「プロの小説家が感想をくれる」という触れ込みでしたから、プロの方なんでしょう。

 そして嬉しいことに、ちょっとしたお褒め言葉もあり、私は心から感動し喜びました。大満足でした。


 そしてその数日後、その出版社から電話がかかってきたのです。そのこと自体は、感想文に同封されていた書類に書いてあったので、「ふぁあ、本当にかかってくるんだね〜」などと思いながら呑気にお話ししました。

 その「お話し」というのは、要するに「うちが手伝うから、自費出版してみませんか?」という内容でした。


 大賞に選ばれれば本が出版される(&賞金)というコンテスト、あなたの作品は選出されなかったけど、本を出したいなら相談に乗るよ? ってことです。


 ただ、私が応募した理由は「プロの感想が欲しい」だけでした。もとより、大賞なんて夢のまた夢、そんな恐れ多いことは考えていませんでしたから。

 たしかに、その営業の方がおっしゃるように編集者がついて助言をくれるというのなら、それも魅力的ではあります。でも、魅力があっても先立つものがありません。無い袖は振れないのです。


 なので、正直に元気いっぱい「そんなお金はありませんし、紙の本を出すことに執着がありません。読んで欲しければネットで公開します」と答えました。

 それまでの会話の中で、営業の方が「初めて書いたとは思えない。面白かった」と褒めてくださったこともあり、(営業トークとは知りながらも)私の気持ちの上でこの件は大満足のうちに終了していたのです。


 営業の方は、一気にトーンダウンしました。それまでは割と熱心に自費出版について説明してくださっていたのですが。


 「やっちまったー!」と思いましたね。だって、出版社の方にですよ、しかもこっちが勝手に応募したものにわざわざ電話までしてくださった方。

 なのに「いや、ネットでやるし(意訳)」とか……失礼すぎません? 私。



 あたふたと謝ったかと思います。電話をいただいたことへのお礼も言った記憶はギリあります。他はあまり覚えてませんが、とにかく営業さんとの電話を終えました。


 申し訳なさに頭を抱えつつ、私はネットでそのコンテストを検索しました。大賞作品が面白そうだったら、お詫び代わりに買ってみようと思ったのでした。



 すると……出てくる出てくる。その出版社の、「」の情報。


 読んでいて、どんどん暗い気持ちになりました。ああ、そういうことか。と。

 私のドキドキはなんだったのか。下手なりに、一生懸命書いたのに。盛大にビクビクしながら送ったのに。


 もちろん、ネット情報です。そしておそらく、怒りに打ち震えた人が書き込んだ文章です。そこにどれほどの信憑性があるのかは不明です。

 契約時の確認不足だったり、説明を自分に都合よく解釈しておいて「騙された」と思い込んでしまったり、ということもあるかもしれない。

 でも、もしかしたら……出版社側が、わざと期待させ誤解を招くような言い方をしたり、必要な説明を濁したりといったことが行われていたのかもしれない。


 本当のところはどちらなのか、私にはわかりません。営業さんのトーンダウンは、私の失礼な宣言のせいなのか、顧客カネにならないと判断したからなのか。


 ですが、どっちにしても、喜んで浮かれていた気持ちは醒めました。



 醒めましたが、私はその小説の続編を書き続けました。そう、応募した直後から書いていたのです。最初の小説を書き終えた時には既に、続きのお話「サレンダー 〜 風使いと音使い 〜」が頭の中にあったからです。

 お話があるからには書かねばなりません。放出しないと、妄想で頭がいっぱいになって日常生活が危うくなる恐れがあります。

 ダダダダッと続編を書き上げ、失礼な宣言どおりに小説ブログで公開しました。


 ……そして、冒頭に戻る。公開を後悔しました。


 だって、長い。何しろ長い。

 でも、面白いとコメントしてくださる方が少しいらしたり、ランキングでちょっと上の方に行けたりして、救われた気持ちにもなったのでした。


 ……で、終われればいいのですが、そのサイトが運営停止となりまして。しかも、自動でお引越しもできないという。なにこれ、呪われてんのか。


 これはもうお告げかと。お前は小説なんか書くんじゃないよ、というお告げかと思いました。

 思ったんならよせばいいのに、別のサイトで一からちまちまとやり直し。(下書きデータは残してあった)

 誰に頼まれたのでもなく、大して読む人もいないというのに、しかも何しろ長いのに、ご苦労なことです。


 この辺がアホのアホたる所以です。



 以上が、私が「初めて小説を書いてみた」のあれこれでした。上に書いたのとちょっと文言が違いますが、面倒なので直しません。


 初めての「小説を書く」という体験は、ちょっとほろ苦い顛末となりましたが、

アホな私はそれでも懲りずに書き続けています。読み返しては「ぐあああああ……下手ぁぁぁ」と悶えつつ、公開と後悔を繰り返しています。アホの極みです。


 (面白いかどうかは別として)小説なんてこんなアホでも書けるのですから、

興味があるなら気軽に書いてみたらいいと思います。楽しいから。

 やらない後悔より、やった後悔…いや、やった自己満足♪ 自己満足上等!


 そして面白い小説で私をズドンと落ち込ませていただきたい。



 あと、自費出版にはくれぐれもお気をつけください。

 自費出版が悪いと言いたのではなく、契約時にしっかりきっちり確認しないと大変な目にあいますよ、ということです。


(ちなみにこのコンテストの件は、別の小説でネタにしました。転んでもただでは起きない精神)





 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


 次のお話は、「そもそもお話って、どうやって思いつくの?」です。

 面白い小説を読み終えた時、「この着想をどこから得たのだろう?」と気になること、ありませんか? 私はあります。「この作者様の頭の中、どうなってるの?」と。


 なので、そのことについて書いてみたいと思います。ただ、書いていくうちに違う話になっていくかもしれません。何しろアホなので。


 ではまた、次のページでご訪問をお待ちしております。


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