第4話「水の姿勢」・疲労。

『水の姿勢』は、疲れた時にやると即効で快復するぞ。

 三日月流導引の基本の導引じゃ。


 仕事でクタクタに疲れて帰って来て、もう何もしたくないという時、布団の上に横になってできるから楽な行法じゃ。

 『水の姿勢』を10分くらいすると、かなり快復して少しくらいなら動けると思い。シャワーを浴びたり、飯を食ったりできるぞ。

 そのまま寝てしまうこともあるので、ガスで煮炊きしてる間にやろうなんて思うと危険じゃぞ。


 自分の手で腎臓を押すのだが、副腎も押すことにもなるし、腰の筋肉も押すので、ホルモンや腰痛にも効いて、とてもお得な行法じゃ。

 体が重いと思う時や腰が痛いとか、やる気が出ないなんて時にも、やるといいぞ。


「祖父、仁蔵は、このように申していました。あずきちゃんは体が重いとか腰が痛いなんてあるの?」


「にゃにゃにゃ」


「へ〜っ、そうなの。あるそうです」


 それでは水の姿勢のやり方を、御紹介いたします。

 解説は三日月冬子です。



【水の姿勢】


①布団の上に仰向けに寝ます。

②左手の甲を上にして布団と背中の間に入れます。

 最初は、肋骨の一番下、腎臓のある部分にあてます。

③両膝を曲げて左側に倒します。

 膝を倒す事で手の甲で腎臓を押すことができます。

 1回に押す時間は約10秒程度です。

④肋骨から徐々に骨盤まで手を下に降ろしていき腰全体を押します。

⑤右側も同じようにやりましょう。



 導引では背骨を押す事は禁止されています。背骨には手をかけないようにしてください。

 背骨を圧迫して、中を走る神経を傷付けると取り返しのつかないことになるからです。

 背骨の調節は膝を左右に動かす事で自然と正しい位置になるようにします。


 この技は背中を足で踏む『足圧そくあつ』の応用で、足圧は人に踏んでもらわないとならないですが、この技は自分でできます。


 足圧は、家庭でもできるので女性は将来、疲れて仕事から帰ってきた旦那様にやってあげると、旦那様は奥様を離せられなくなると、おじいさんは言っていました。


 疲労回復、腎臓の維持、腰痛改善に有効です。

 手の平で背中をさすったり、前屈をするのも腎臓によいです。

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