第163話 次回予告。


流れ流れて行き着いて、風に吹かれてまたながるる。

何処ぞへ行くのかと問われても、多くの者は知る由無しと答えるだろう。


浴びた泥芥も次第に乾いて何事も無く。


身から剥がれて砂へと変わり、或いは石膏、元の形も分からぬままに。

帰る場所も、征く場所も、真に在るかも分からぬままに。


流れ流れて行き着いて、風に吹かれてまた——流る。

己の意志など微々たるものと、足掻いた者は知るに至りて。


なれば、もはや足掻くは無意味と悟り止めるか。

いいやそれでも——心が疼いて足掻くのだろう。


過去に戻れぬというのなら、せめて往く場所——


それだけは選べるように足掻くのだと。


数も少ない居場所を奪い合い、或いはそうだ——寄り添い合って。

何処に行くのかと問われれば、汝は何処と答えるか。


彼女らはきっと——

彼はきっと——


留まる事が許されぬ流浪のさが、或いはそれも報いの業。


また一歩、また一歩、続き続ける始まりが、

誰に語り継がれる事も無い歴史のわだちの一つと、踏み越えたむくろと共に明日へと消えゆく。


次回、断頭台のデュラハン16


【流浪編】


二千二十四年、三月下旬——連載開始予定。

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