2-12. 遺跡脱出!

ピュック:「仮面を……えーいっ!!」


描写:ピュックのスタッフは仮面に命中し、仮面が吹っ飛んでいく! ロベルトは気絶したようだ。


ヴィンター:「やれやれ、なんとかなりましたか」


アリー:「まったくアヌビスさんには困ったものです」


ブコー:「恐ろしい強さだった。ひやひやしたよ」笑顔


ピュック:「ふう、どうにかなりました」


描写:外れた仮面が床に転がっている。


ヴィンター:「さて、お宝は……なさそうですね」


ピュック:「ブコーさん、アヌビスさんの手当てをお願いします」


ブコー:「任せてくれ」ごそごそ


ヴィンター:他に宝っぽいものがないか、探したいです。


GM:なるほど。言ってしまうと、この部屋には他には特に何もないです。探索判定はしなくていいです。できることといえば、仮面のことと、そこに転がっている人の戦利品決定くらいですね。


結局、PC達は仮面には触れず、ロベルトの応急手当や、戦利品の獲得を優先した。PC達それぞれが10分ぶんの行動をしたところで、シーンが動く。


GM:君たちのいる部屋……いや、遺跡全体が突然、揺れ始める。危険感知判定してみてください。


ピュック:(ころころ)ここで6ゾロかよ!


アリー:(笑)


GM:成功したのはアリーとピュックですね。


描写:アリー、ピュックは、この遺跡を背中に乗せているアンコウが、海中に潜ろうとしているのではないか、と気づく。


ピュック:「わわわ、まずいです!」


ブコー:「どうした?」


アリー:「あわわわわ、海に潜ろうとしてますよ!」


ブコー:「それはまずいな」


ヴィンター「いけませんね。急いで戻りましょう」


ロベルト:「う……なんだ……?」


ブコー:「目が覚めたか、アヌビス!」


ピュック:「アヌビスさん、ここ沈みます! 逃げますよ!」


ロベルト:「ア、アンコウが潜ろうと……! わ、分かったぜ。アヌビスじゃねえけど!」


ブコー:「脱出を急ごう」


ピュック「そ、そうですね!」


GM:では皆さん、抜け出すんですね。ちなみに床に落ちている仮面、どうしますか?


ピュック:被ったら、おかしくなった?


GM:うーん、皆さんはこの10分の間に仮面を調べなかったですからね。


アリー:じゃあ、アリーが調べてから行きます?


ブコー:あー、なるほど。


アリー:競泳水着、着てるんでね(笑)


ブコー:出た(笑)


GM:競泳水着をお披露目できますし、良いと思いますよ。


ピュック「仮面は……ちょっと触るのも怖いですね……」


アリー:「私が仮面を調べて、余裕があったらロープで縛って後から追いかけますね!」


ヴィンター:「アリーさんなら適任ですね。ではお任せしましょう」


ブコー:「なるほど。無理をしないでおくれよ」


描写:アリー以外は、遺跡が海に沈む前に脱出する。アリーのいる部屋には、床から急激に海水が流れ込んでくる。


GM:ロープで縛って、というのは?


ヴィンター:仮面自体をロープで縛って、触らないように?


アリー:そうですね。もし持ち帰るんだったら。


GM:なるほどなるほど、いいですね。では、宝物鑑定判定をどうぞ。さっき一度失敗しているので正確には所要時間が変わるし、セージ技能でもないので厳密ではないですが、面倒なので通常通り目標値14でいいですよ。


アリー:(ころころ)あ、1ゾロ


ヴィンター:1ゾロ


ピュック:(笑)


ブコー:ええー!? ここで?(笑)


GM:分からない! ここで(笑)すごいタイミング。


ヴィンター:奇跡を見てますね。どうします? 持っていくか、それとも気持ち悪い仮面だなって捨てます?


アリー:じゃあ、直接触れないようにロープで工夫して、脱出を試みます。


アリー:「とてもダサい仮面ですが、仕方ないですね!」


GM:アリーは遺跡の中を泳いでいく……。


アリーは競泳水着を着て遺跡の中を泳ぎ、他のPC達が待つ船の元に現れた。そしてアリーの立ち絵の水着差分が、オンラインセッションツール上にも現れたのだった。(ブコー:胸に名前が書いてある(笑))


アリー:「ぷはー」


ブコー:「おお、アリー! よかった」


ヴィンター:「お疲れ様です」


ピュック:「良かったです!」


アリー:「ただいまです! やっぱりちょっと分からなかったので、ロープで縛って持ってきちゃいました!」


ピュック:「引き揚げますね、捕まってください」ロープをほい


アリー:「ありがとうございます」


ブコー:誰も水着、ツッコまないな。


ヴィンター:ギルド支部長のときと同じ流れですね(笑)ナチュラルすぎて、何もツッコめない。


アリー:(笑)


ブコー:PLはめちゃめちゃびっくりしてますけどね(笑)


ヴィンター:日常なんだろうな、と。


描写:アンコウは頭の先に灯す太陽と共に、海の中に沈んでゆく。そして代わりに、東の空が次第に明るくなってくる。


ロベルト:「やれやれ……しかし、何があったんだ?」


ピュック:「え、覚えてないんですか?」


ロベルト:「その仮面をつけてから、頭の中が……」


ブコー:「はは、その方が幸せかもしれないね」


ロベルト:「いや、うっすら覚えているぜ」


ブコー:(かくかくしかじかアァツモリィ)説明します


ヴィンター:「まあ、いつも通りの冒険ですよ」


ロベルト:「お前らと直接やりあっちまったか。悪ィ。ただの競争のはずだったんだがなあ。ともかく、俺の負け、完敗だぜ」


ヴィンター:「これに懲りたら少し落ち着くことですね、ロベルトさん」


ピュック:「びっくりしました、第二の剣を担ぎ上げるんですもん」


ブコー:「よく一人であそこまで潜ったものだ。あの仮面をつけたりなんてしなければ、君の一人勝ちだったろう」


アリー:「そうですよ! びっくりしました。今度は水泳を競い合いましょう!」


ロベルト:「泳ぎか……」浮かない顔をする


ロベルト:「水は……苦手なんだ」


ブコー:「ははは」ウケてる


アリー:「そうなんですか? じゃあ仕方ないですね」


ロベルト:「いや、ベオルさんの横につく以上、泳ぎは避けられねえ! いつか勝つ!」


ピュック:「究極的に相性最悪だったんですね、戦いが苛烈にならなくて良かった……」


ヴィンター:「まあほどほどに」


ブコー:「私たちも受けて立つよ。……そろそろひきあげようか」


GM:さて、シーンを切って、あとは報告だけ……まあ、報告シーンが無くても、締めとしては良い感じですけどね。


ヴィンター:確かに、きれいなエンディングっぽい(笑)


ブコー:そうなんですよね。きれいなんだけど、あのタビットには会いたい。


GM:会いたいなら出すしかないなあ(笑)


ピュック:やったぜ


アリー:見たくなるんですよね、あのタビット(笑)


描写:君たちは冒険者ギルド〈大海の兎亭〉に帰還する。


ピュック:「ただいま戻りました」


ターリッズ:「おお! 戻ってきたな! で、どうだった!」


アリー:「これです!」ずるずる引きずってきた仮面を見せる


ブコー:「やあ。ギルドマスター(カクカクシカジカアッツモリィ)」


ターリッズ:「おお! 勝ったか!」


ピュック:「見つけたには見つけましたが……ヤバそうです」


ピュック:「ああ、勝負で言ったら……先にアヌビスさんが見つけて手に入れたけれど、こちらが奪い取ったって言い方になるんでしょうか」


ヴィンター:「確かに良いものではないでしょうね」


ブコー:「私たちでは価値をはかれないが、丁寧に扱ってほしいな」


ブコー:「持ち込むのも悩んだが、これだけ縛れば大丈夫だろうと判断したよ」


ターリッズ:「ああ……なるほど、リザードマンの秘宝だからな」


描写:ターリッズは仮面を調べる……



ターリッズ:「これを被ると、エイリャーク信者になっちまうみたいだぜ。まあ、それなりの価値はありそうだが」


ピュック:「なるほど、あの変貌はそれで」


ターリッズ:「秘宝は好きにしていいって言ったな」


ブコー:「信仰を縛ってしまうなんて、ぞっとしないな。では私たちの方で処理させてもらおう」


ターリッズ:「処分は任せたぜ」


ヴィンター:「いやはや恐ろしい神器ですね」


ピュック:「なんでアビヌスさん、被ろうとしちゃったんだろ?」


ブコー:「目立つからじゃないか」笑顔


ヴィンター:「まあ、そんなところでしょう」


ピュック:「普段の被り物の方が素敵ですのに」


アリー:「いつものアヌビスさんがいいですよね」


ブコー:「ああ。彼には自分の良さを見失わないでいただきたいな。私達も気を付けるとしよう。なかなかに得難い経験だった」


ピュック:「怪しい物は迂闊につけない! 覚えます!」


ヴィンター:「そうですね」


アリー:「うんうん」


ブコー:笑顔で頷く。


描写:西から昇る太陽……それはアンコウの光だった。見つけた秘宝は使えたものではなかったが、君たちは別のものに価値を見出せた、かもしれない。


GM:ソードワールド2.5「西から太陽が昇る日」終幕です! お疲れ様でした!


PL一同:お疲れ様でした!

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