魔法少女の本気

 あらすじ

 職場の後輩に殺されそうになっている。

 こちらが提示した作戦タイムの申請が通り一時休戦に持ち込んだ。


 畜生が回復魔法が効かねえ。

 鋏を吹っ飛ばすついでに切断面へ術式阻害レジストを掛けやがったなこのアマ、全くもって可愛くねえ。


「ちょっとぉはやくしてくださいよぉ」

『作戦タイムは最大5分だ!』


 魔法少女業界にある暗黙の了解がいくつか存在する。

 それが作戦タイム、魔法少女同士の闘争において不利な側が相手に申請し受理された場合に限り、最大5分の停戦が1度だけ約束される。

 しかし、残り持ち時間は1分を切っていた。

 こちらが態勢を立て直せないとなると取るべき行動は1つしかない。


『OKわかったよ。お前本気出せよ』

「えぇ~本気出したらすぐに終わっちゃいますよぉ?」

『さっさと帰って寝たいだろ?』

「それはそうですけどぉ」

 挑発しかあるまい。

 魔法少女の本気なんざ巨大なバケモノになる位しか無い筈だ。

 同質量の接近戦インファイトであれば勝機もあろうよ。


『来いよ! 来いっての! ほら』

「わかりましたよぉ」

 渋々了解した相手は、周囲に背筋を凍てつかせる程の殺気をまき散らしながら変貌を遂げる。

『うわぁ……気持ち悪いなお前……』

『だからぁ厭なんですよぉこの恰好』

 対峙するは目測で全長20メートルは有ろう巨大な百足。


 これは作戦を誤ったのか?

 絞め殺されるイメージしかわかんぞ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る