魔法少女の流儀
さて首をマジカルチョンパと吹っ飛ばされた強盗はというと。
「あれ!? オレ死んでない!?」
「そうだよだから落ち着けや、おっさん」
マジカルキャンサーのマジカルスキル、
「おっさんよ、今から2つの内から選べ。1つ警察に自主して命を拾う。2つ態度を改めずこのまま死ぬ」
私が魔法を解けばたちまち強盗の首と胴体は、物理的に分離しているのだから即死する訳だ。
「わかった! タスケテくれ!自首する!」
「くれぇ? するぅ?」
「タスケテください! 自首します!」
「よかろう、おいアルバイトおっさんを縛ってくれや」
「うす」
アルバイトがバックヤードからガムテープを持ってくると強盗をミノムシ然と簀巻きに仕上げた。
この街は荒れている。故に人間を縛るスキルは誰でも持っていたりする。
剣呑だなぁ。
そして私のスマホから最寄りの警察署に通報し、強盗の耳に端末を押し付ける。
「強盗に入りました捕まえてください」
「自分で言えて偉いねえ」
なるたけ乱暴に強盗の頭を撫でてやる。
「痛い痛い痛い」
「てめえ人に刃物ちらつかせて痛いだと?」
舐めんじゃねえ!
「あ~いっけないんだ」
「うるせえ! 虫の居所が悪いんだ。でアイスのお代は?」
「130円です、ちょうどすねあざ~す」
クレープアイスを受け取り、床に転がった強盗の首を蹴って元の位置に設置して魔法を解いた。
「まいどあざま~す」
コンビニを出てクレープアイスの封を開ける。
「いらっしゃいませ」
私は気絶している巨大なミノムシの腹を思い切り蹴り上げる。
「てめえこのヤロウ! アイス溶けてんだろうがボケ!」
クレープアイスは最後の1個で、新品を買い直すこともままならず。
ぶちギレてしまった。
踵を返し溶けて台無しになったクレープアイスの成れの果てを啜り、3キロ先のコンビニを目指し私は歩みを進めた。
何としてでもクレープアイスを喰らわなければストレスで頭から血を吹き出しそうだったから。
頭上で星が瞬き流れ星が流れ私の目からも温かいモノが頬を流れた。
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