ヒーロー

オレンジ

第1話 序章

 私の名前は、白石瞳子。

 私立中学一年生。

 この夏、十三歳になったばかり。

 去年までは、一生懸命勉強していたから、入学したら友達たくさんつくって女子的遊びをしてみたいと思っていた。

 友達とプリクラ撮ったり、買い物に行ったりしてみたかったんだ。なにせ、弟と一緒に映ったものしかないんだから。

 映画にも行ってみたいし、夏休みもプールとか友達と行けたらなぁ、そう思ってたんだけど、無理。

 なぜって、友達が出来ないから。

 小学校時代は仕方無いって思ってた。ピアノの習い事もしていたし、塾にも通っていた。

 両親も共働きで家の家事とか、少しだけだけど、手伝ってたから。

 だから中学生になったら、友達とお出かけしたり、携帯電話も持たせてもらったから、アドレス交換したりしたかったんだけど、今だに家族と従妹くらいしか入っていない。

 学校は私立柑月(かんづき)女子中学校。

 そう、女子中。

 制服が白系で可愛くて、カトリックの学校なの。

 建物とかは古いんだけど、私はレトロでクラシック感があって気に入っている。

 偏差値は少し高め。だから本当に頑張って勉強したんだ。

 これから、楽しい女子中学校生活が始まると思ってたんだけど、あっという間に夏休みに突入。

 今だに誰とも遊ぶ計画がなくて、七月三十一日の誕生日を迎えてしまったのだ。

 勿論、誕生日プレゼントなんて、親以外貰っていない。

 これでは、何の為に頑張って勉強したのか分からない。

 何だか自分の性格が疎ましい。だけど、自分で言う程、ウザい性格でも無いと思うんだけど。

 はあ、誰か友達になってくれないかなぁ。

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