金髪の僕、紫色の君~The purple witch&gold boy~

儚夏arfy

序章 いじめられっ子の僕

「はぁ…」

今日も憂鬱ゆううつだ。そんな気持ちがため息として出てしまう。

なぜかって?

それは…

「よー!ぼっち!今日もまた一人か?さみしいなっ!」

「かわいそー!」

「…………」

今僕は学校で味方になってくれる子がいない。

いわゆる…、いじめられている状態だ。

悪口だけならまだいい。けど、こいつらは僕にひどい仕打ちをしてくる。

トイレに入っているときに上から水をかけられたり、教科書や体育着を隠されたり、給食を奪われたり…。

一番きついのは、クラスのみんなの冷ややかな視線だ。耐え切れない。




…自己紹介が遅れたね。僕の名前はリディア・ロックハート。

実は僕には親がいない。父は元からいなくて、母が一人、僕を幼稚園の頃から育ててくれていたのだが、ある日

「リディア、お母さん、買い物に行ってくるね」

と言い残し、結局帰ってこないまま、僕は家に一人、取り残されてしまった。

幸い、食べ物の買い方や、家事などは教えてもらっていたから大丈夫だったけど、僕には母がなぜいなくなってしまったのか分からないのだ。


僕が小学校に上がる前に忽然こつぜんと姿を消した母。

怒りの感情はわかないが、悲しい気持ちと、捨てられたような何とも言えない感情と…。


しかし、親がいないという理由でいじめられたことは一度もない。

なぜかはわからないけれど…。


キーンコーンカーンコーン


「おっ!チャイムだ!」

「またなー!ぼっち!」



「………嫌だなぁ……」

今日、僕のクラスには転校生が来る。…どうせ、僕をいじめるのだろうか。




しかし、今日来る転校生のおかげで僕の人生が大きく変わるとは思ってもいなかった。

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