靑龜

  靑龜



僕がそつぽを見てゐるあひだ


十五夜の月がぐにやりと曲つて


一瞬 三日月の眞似をした


おいおい眞面目に遣つて吳れ


些か不平を云つてみた所で


さてもまあ 泰然自若


にやりと笑つて知らぬ顏


さう來ることは判つてゐたが


僕はいよいよ詰まらない


爪が石にがりりと鳴つた






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